スターリングラード

シナリオ2「遠すぎた河」ソ連軍メール対戦(1997年6月11日)

戦闘序列

ソ連軍部隊組織

 第51軍──第4機械化軍団

        ──第7機甲軍団

      ────────────第81騎兵師団

──────第13機械化軍団

────────────第302狙撃師団

枢軸軍部隊組織

 第4装甲軍──第57装甲軍団──第6装甲師団

                       ──第17装甲師団

                       ──第23装甲師団

           ──────────ルーマニア第8騎兵師団

作戦構想

このシナリオは枢軸軍のスターリングラードで包囲された第6軍救出のための「冬の嵐」作戦の前半部を再現するシナリオである。

ソ連軍としては、スタート時の状況(重要拠点)を維持すれば、勝利できる。従って基本的に作戦は防勢を主とするが、隙あれば攻勢に出る必要もあろうし、またそうした構えを見せることによって枢軸軍の攻勢を抑止することも期待できる。しかし、スタート時のソ連軍は、アントノフ~ジュートヴァ駅付近に展開する第13機械化軍団・第302狙撃師団、ムイシュコヴァ河沿いに展開する第51軍・第 4機械化軍団・第81騎兵師団に二分されており、総戦力でも劣勢であり、枢軸軍側に主導権がある。よって枢軸軍の作戦に応じて防衛計画を立てる必要がある。

敵枢軸軍の作戦としては二通りの作戦が考えられる。一つ目は主力を北上させて、ムイシュコヴァ側を目指し、河沿いの3拠点を目指すという作戦である。これは史実で枢軸軍がとった作戦であるが、この場合はソ連軍の対応は容易である。スタート時から配置されている第51軍、第4機械化軍団、第81騎兵師団を使える上に、14日の14時に増援として出現する第7戦車軍団も防衛戦に投入できる。開戦時の重要地点勝利ポイントは、枢軸軍100点に対してソ連軍は500点。ムイシュコヴァ河沿いの3拠点をすべて枢軸軍が占拠した場合は枢軸軍1000点に対してソ連軍は300点。部隊撃破の得点(恐らく枢軸軍の方が多くなるはず)などを計算に入れても15日の終わりまでに2ヶ所、16日の終わりまでには、3ヶ所とも占領しなくてはならない。これは、ソ連軍がこの作戦に対応する北方重視の配置を敷いていた場合にはほぼ不可能であり、東方重視の作戦を取った場合でも極めて達成は難しい目標である。

二つ目の作戦は、東方へ主力を派遣し、アントノフとジュートヴァ駅付近に付近にある第13機械化軍団・第302狙撃師団を撃破して、この2拠点を占領する作戦である。2拠点を枢軸軍が占領した場合の重要地点勝利ポイントは枢軸軍400点に対してソ連軍は200点。15日の昼間まで2拠点を確保すれば勝利できる。部隊撃破の得点も北方と遮断してしまえば、包囲することができ、平押しの北方への攻勢よりは期待できる。拠点の位置も北方の3拠点よりは、枢軸軍の初期は位置地点に近く、枢軸軍の増援は投入しやすいがソ連軍の戦力は弱く、増援も投入しにくい。こうした要因を考慮しても2拠点を15日の昼間までに占拠するのは簡単でないが、北方への攻勢よりはソ連軍にとってはいやな作戦である。

二つの作戦を比較検討した結果、ソ連軍は敵の東方攻勢に備えた作戦を実施することにした。

チェルモノフ南方にある第81騎兵師団は、チェルモノフ周辺に後退し陣地構築にあたらせる。この部隊の一部を南下させて枢軸軍を牽制することも考えたが、以下の理由から断念した。まず第81騎兵師団は戦力だけでなく機動力も乏しく、とても機動戦を行える部隊ではないためである。下手に一部を南下させてもどうせ枢軸軍拠点を脅かし、占領することなど不可能であるし、多くを派遣すればチェルモノフが手薄になる。もし枢軸軍が北方に主力を派遣したならば、あっという間に南下部隊は撃破されるか突破されてチェルモノフを占領されてしまうだろう。それくらいならばチェルモノフを占守させたほうが部隊撃破の得点を枢軸軍に与えずにすむし、補給物資も節約できる。枢軸軍主力が北上してきても陣地にスタックしてよればかなりてこずらせることができるかもしれない。

ムイシュコヴァ河の北にある第51軍と第4機械化軍団は南東のアントノフとジュートヴァ駅付近に向かって急速に戦略移動させる。東方の戦況が悪ければ直接救援に向かわせ、東方の戦況にある程度の余裕があれば、枢軸軍の東方へ向かう部隊の背後を脅かしつつ、ザリフスキーを狙わせる。もし枢軸軍が北方に主力を派遣したならば、南下を中止して撤退し、ニージネ・クムスキーとグロモスラフカを守らせる。

北方から増援で出てくる第7機甲軍団は、枢軸軍の一部がニージネ・クムスキーとグロモスラフカを狙う可能性があるのでこの2拠点の防衛を第一に考えつつ、余裕があれば第51軍と第4機械化軍団を援護し、攻勢を実施する。

第13機械化軍団は、アントノフを防衛させる。「スターリングラード」においては戦闘による疲労と混乱が著しいので、縦深防御を敷いて枢軸軍がアントノフに近づくまでになるべく多くの回数の戦闘を強要し、時間を稼ぐ必要がある。しかし、ドイツ軍には強力な装甲師団がいることもあり、薄すぎる戦線は危険である。アントノフとその周りに陣地構築部隊を置いて主力はアントノフから2ヘクスの地点で3ヶ所にスタックさせて配置し、時間を稼がせることにした。

第302狙撃師団はジュートヴァ駅とそこから南に伸びる鉄道沿線を守備させる。第 302狙撃師団は質も低く戦闘力も低いのでこの戦線が一番心配なのだが、ドイツ軍の主力がアントノフの南を突破してジュートヴァ駅の南方から攻撃してくる可能性は低いと判断し、またこれ以上の戦力を割けないためにこの配置となった。防衛構想としては、まず小渓谷の線で時間を稼ぐ間にジュートヴァ駅の南方に防衛陣地を構築する。そしてここも突破されたらジュートヴァ駅で拠点防御を行うというものである。ジュートヴァ駅を北から狙う敵に対しては、戦力を配置する余裕がないので、第51軍と第4機械化軍団を枢軸軍がアントノフの北を迂回してジュートヴァ駅を狙うよりも早く南下させ、アントノフの北方で阻止させるという若干不安の残る作戦にせざるを得なかった。

12月14日

補給は全部隊「攻撃」

第1ターン

第13機械化軍団は、所定の配置に就くことができた。南方の枢軸軍の騎兵部隊と第 302狙撃師団の部隊が接触している地点では、コンピューターが指揮する枢軸軍は砲兵と空軍支援を投入してきて必ず中央の1個大隊を壊滅させてしまう。乏しい防衛戦力を少しでも温存したいソ連軍は前面の敵騎兵部隊に全力で砲爆撃を加え、歩兵大隊を後方へ下がらせた。が、意外なことに枢軸軍はこの地点では攻撃を計画していなかったようであった。後方の砲兵部隊が敵の砲撃にさらされただけで枢軸軍の攻撃は行われず、支援攻撃を無駄遣いした気分になった。アントノフ付近でも思ったほど敵とは接触せず、枢軸軍の前進は意外に慎重なようだ。

北方の部隊は当初計画どおりに移動したが、第51軍司令部は戦略移動でも1ヘクスしか動けないようである。所属する戦車部隊の補給が困るのは時間の問題だ。

第2ターン

ソ連軍の陣地構築予定地点の部隊は陣地構築を開始した。今回も枢軸軍の攻撃は行われなかった。しかし、第302狙撃師団の前面にルーマニア軍と思われる大部隊が出現したようだ。アントノフに対する圧力も強まってきている。6ユニットほどの枢軸軍がアントノフの北を東方に移動しているが、北方との連絡を遮断される前に第51軍の2個戦車旅団がアントノフの北に到着して戦線を張ることができた。そのすぐ北には残りの第51軍と第4機械化軍団の全部隊が迫っており、東方に移動する枢軸軍の背後を脅かすことのできる態勢になった。しかし、このゲームは陣地構築をしても移動をしても疲労が溜まり簡単には回復しない。夜間には陣地構築を中止して休養させないと翌日の戦闘能力に大きく影響するだろう。陣地ができても篭る部隊がぼろぼろでは‥‥‥。

第3ターン

アントノフ付近では攻撃こそ行われていないもののドイツ軍の装甲部隊が集結し、圧力は強まる一方だ。恐らく攻撃をかけてくるのは明日であろうが十分に休養した装甲部隊を果たして第13機械化軍団の戦力で止められるのか不安になってきた。こちらは陣地の構築でかなり疲労している。かといって構築を止めればドイツ装甲師団を防ぎきれない。いや構築しても防ぎきれないかもしれない。

第51軍所属の2個戦車旅団が南下して突出しすぎて孤立してしまった。朝までの間に何とか補給線を回復させなければならない。枢軸軍は東に主力を向けつつもかなりの数の部隊を主力の北側面を援護するために北へ向けているようだ。チェルノモロフは第81騎兵師団が厳重に守っているから心配ないが、ニージネ・クムスキーとグロモスラフカは油断というか南方への攻勢を重視してほったらかしにしてある。ある程度の戦力を北へ戻す必要があるだろう。本当は、遊んでいる第81騎兵師団にニージネ・クムスキーの防衛も委ねたいところだが、機動力がなくてたどり着く前に占領されてしまいそうなので無理のようだ。

第4ターン

突出した戦車旅団は夜間にもかかわらず戦術移動を行って補給線の回復に成功した。第 7機甲軍団も夜間戦略移動を行い、ヴェルフネ・クムスキー付近で停止している第4機械化軍団に追いついた。枢軸軍はほとんど動かなかったが、我が軍は積極的に(無謀にも)冒険的な戦略移動を行い、逆に枢軸軍の3ユニットほどの補給線を切断した。

ニージネ・クムスキーへは第7機甲軍団の歩兵・オートバイ歩兵4個連隊が間に合ったようだ。それにしてもチェルノモロフへは1ユニットも来ない。こんなことなら第81騎兵師団はニージネ・クムスキーに主力を配置すれば良かった。

アントノフ付近の陣地構築は構築部隊が疲労しているためか肝心の河より北の部分とアントノフ自体が一向に完成しない。もともと枢軸軍の戦力が弱そうな河より南は陣地が完成し、最低1日、おそらく2日は南からアントノフやジュートヴァ駅に隣接される恐れはないであろう。

第5ターン

前ターンで夜間戦略移動した部隊はかなり疲労混乱している。特に枢軸軍のZOCに出入りした部隊はそれが著しい。夜間もあと2ターンなので陣地構築など最低限必要な部隊を除いて移動も行動もせず休養に努めた。また南方に移動した第51軍所属の部隊の補給線が長くなりすぎたので2個戦車旅団を第13機械化軍団に、2個戦車旅団を第13機械化軍団に所属変更する。枢軸軍はアントノフ西方と第 302歩兵師団の前面の2ヶ所で夜間攻撃を実施してきたがそれぞれかなりの損害を与えて撃退に成功した。突出してきたルーマニア軍にも4割という甚大な損害を伏兵によって与えた。枢軸軍は損害もさる事ながら、ものすごい疲労と混乱に陥っているはずである。攻撃された部分の戦線は当面完全に保持できるであろう。

枢軸軍は南下してきたソ連軍主力によって補給線を切断された部隊を移動させて補給線を回復したがこのターン敵のZOCで動いた部隊は、明日までに疲労は回復しないはずで明日の戦闘では狙い目になるであろう。

第6ターン

チェルノモロフの第81騎兵師団は配置を完了した。陣地も続々と構築拡大されつつあるのでもうここは大丈夫であろう。でも枢軸軍はここには攻めてきてくれない。やはり南下させてノヴォアクサルスキー方面に圧力をかければ良かったかとちらと考えるが、ダミーと大差ないこの師団のユニットでは、ある程度の戦力で守備された重要拠点には1対1の比率も立たないであろう。明日はこの部隊への補給は防御レベルにまでけちってやると決める。

アントノフとその周り3ヘクスにようやくスタック値3までの部隊が入れる陣地が完成した。構築部隊が疲労しているので休ませることにする。このターン、枢軸軍はアントノフ北方の部隊を後退させた。混乱・疲労した部隊を敵のZOCから外して休養させるつもりなのだろう。

12月15日

補給レベルは第81騎兵師団「防御」。残りはすべて「攻撃」

第7ターン

昼間のターンになり、当初の予定通り、第4機械化軍団と第7機甲軍団によってアントノフ北方からザリフスキーへ向けて圧力をかける。まだ接触したばかりだが、枢軸軍の側面を守る部隊よりはソ連軍の2個軍団のほうがかなり優勢なので一定の戦果はあがると予測される。

アントノフ東方で砲撃と急襲などで2ヶ所から敵を撃退する。これで当面アントノフは安泰だろう。最前線の部隊にも陣地構築の命令を出す。南方の第302狙撃師団の戦線でも3個連隊を投入してドイツ軍騎兵部隊に反撃を実施したが、敵の質を見誤っており惨めに失敗した。しかし、第2線陣地が完成しつつあるのでこちらの戦線もしばらくは大丈夫であろう。

第8ターン

アントノフ北方から南下するソ連軍主力は、2ヶ所で攻撃をかけて成功させ、枢軸軍を南方へ押し込んだ。しかし、枢軸軍はアントノフ東方に配置していた部隊を北方側面に回してきているようで前面の枢軸軍はかなりの戦力に増強され、ヴェルフネ・クムスキー方面に進出した一部部隊は逆にソ連軍主力の側面を脅かしつつある。このような現状ではザリフスキーへの早期の到達は望むべくもない。しかし、枢軸軍の3個装甲師団と1個ルーマニア軍師団のうち、2個装甲師団は北方のソ連軍主力に対峙していると推定され、アントノフへの圧力を軽減するという初期の目標は達成した。

第9ターン

第8ターンまでの移動戦闘で第7機甲軍団と第4機械化軍団はかなり疲労している。明日のことを考え、ここは休養と翌日の攻撃に備えて部隊を再配置する。砲兵隊と爆撃機は遊ばせておいてはもったいないので砲爆撃を加えて枢軸軍の装甲大隊を壊滅させるなど第6装甲師団にかなりの損害を与えた。枢軸軍はアントノフ西方にはほんの一部だけ部隊を残し、主力のほぼ全てを北へ振り向けてきたようだ。このままでは後2日でザリフスキーを攻略することは不可能であろう。アントノフへの圧力がないに等しい今、アントノフの第13機械化軍団をザリフスキーへ進撃させるか否か悩むところだ。このまま守っていればアントノフはおそらく守り切れるであろう。しかし、進撃すればより大きい戦果を得られるかもしれない。

第10ターン

とりあえず最低限の部隊配置の再編成をしつつ、混乱と疲労の回復に努める。

第11ターン

まったく移動を行わず休養に専念する。アントノフ周辺の陣地構築はほぼ完了した。枢軸軍はさらに多くの兵力をアントノフの北へ移動させている模様だ。アントノフの西が手薄になってきたので南下部隊の主力の攻勢軸をもっと南にスイングしたいところだが、ほぼ全兵力が敵と接触している現状では難しそうだ。もっともドイツ装甲師団主力もいまさら簡単にほかの方面には転用できないであろうが‥‥‥。夜になる前に南下部隊をいったん北へ下げて枢軸軍と距離を保って行動の自由を確保し、ノヴォアクサルスキーあるいはアントノフ西方のうち手薄なほうに攻勢軸をスイングさせる作戦もあったかと今更ながら後悔する。

第12ターン

昼間に十分に部隊を活動させるため、休養に専念する。枢軸軍にも大きな動きはないようだ。

12月16日

補給レベルは第81騎兵師団のみ「防御」。残りは「攻撃」

第13ターン

朝になったのでザリフスキーへの攻勢を再開する。2ヶ所で攻撃を行いともに成功し、ドイツ軍の2ヶ所の攻撃を撃退した。さらにアントノフの第13機械化軍団の1/3を攻勢に参加すべく西へ前進させた。この戦闘で枢軸軍にはかなりの打撃を与えたはずだが、ソ連軍もかなり疲れてしまった。しかし、アントノフ西方の枢軸軍はやはり手薄であることが確認できたので第13機械化軍団は攻勢参加兵力をさらに増やすことにした。気がかりなのはドイツ軍装甲部隊の一部がソ連軍の攻勢部隊の北側面に圧力をかけてきていることとである。

一方、開戦以来、静かだったムイシュコヴァ河北の拠点のうち、ニージネ・クムスキーに枢軸軍が隣接してきた。ここには第7機甲軍団所属の歩兵2個連隊が陣地を構築して守っている。すぐに陥落するとは思えないが、増援を出す必要があるかも知れない。

第14ターン

ソ連軍の攻勢は続く。4ヶ所で攻撃を行い、その全てを成功させ、戦闘後の戦車部隊の突進によって蹂躪も含めてかなりの打撃を枢軸軍に与えた。しかし、枢軸軍の砲爆撃などによって我が軍も一定の損害を受けてしまった。アントノフから攻勢に移行して前進を開始した第13機械化軍団の一部はザリフスキーに3ヘクスと迫った。

第15ターン

第14・15ターンの戦闘によってかなり疲労したソ連軍は、攻撃の矛先が鈍り始めた。3ヶ所で攻撃を行い、2ヶ所は成功させたものの、最重要目標であったザリフスキー東方2ヘクスにある枢軸軍陣地は砲爆撃の支援をうけたにもかかわらず枢軸軍砲兵が大量に防御支援に投入されたため失敗に終わってしまった。

第16ターン

疲れきったソ連軍は、夜間に入り行動をほぼ停止して休息させているが、回復は微々たるものである。朝までに回復しそうにはない。枢軸軍はザリフスキー東方の陣地に部隊を入れて強化してしまった。いよいよザリフスキー攻略は難しくなってきた。第13機械化軍団の部隊の3分の1を新たに攻勢に投入する。これで3分の2を攻撃に投入する事になったが、最後の3分の1も投入すべく、第302狙撃師団をアントノフ周辺に移動させて守りを固めさせる。もはや陣地も完成しており、枢軸軍にもアントノフより南で攻勢に出る力は残っていない。最低限の防御兵力でシナリオ終了まで持ちこたえられるはずだ。

第17ターン

ニージネ・クムスキーに迫っていた枢軸軍の後方を第81騎兵師団の一部で遮断したところ救援部隊と脱出しようとする部隊が迫ってきた。

第18ターン

両軍ともにほとんど動きはなかった。

12月17日

補給レベルは全部隊「攻撃」

第19ターン

現在の時点でもはや敗北はありえないが、少しでも多くの枢軸軍を撃破してマンシュタインのドン軍集団に打撃を与えるべく、攻勢を続行する。アントノフ周辺は第302狙撃師団に守備を任せて、第13機械化軍団も攻勢に加わったことと、これまでに枢軸軍に与えた損害によってザリフスキー北東の両軍主力の戦力はソ連軍がかなり優越した状態にあると思われる。ただアントノフからザリフスキーへまっすぐ西進するルートは枢軸軍の陣地が硬そうなのでその少し北を迂回するルートに全力を集中させることにする。ザリフスキー攻略は不可能であるがノヴォアクサルスキー方面へ突破するという脅威を与える事によって北方のニージネ・クムスキー方面に向かっている枢軸軍の背後を脅かす効果を期待できる。

第19ターンの攻撃は2ヶ所で実施し、成功を収めた。しかし、攻勢軸の北翼にドイツ軍の第17装甲師団が攻撃を加えて圧力を加えてきたため、攻勢正面が狭すぎて部隊を展開できず、せっかくの量的優勢を生かしきれていない。しかも、ソ連軍もかなり疲れてきており、時間的な制約を考えても北に部隊を回している余裕はない。枢軸軍は巧妙にも我が軍を直接撃破するよりも各部隊を分散して砲撃する事によって混乱と疲労を増大させ、戦力を低下させる作戦を取ってきた。せっかく休ませていた戦線後方の予備の部隊が休まるどころか逆に疲労してしまった。ニージネ・クムスキーに迫っていた枢軸軍の背後を遮断した第81騎兵師団の一部はこれまた救援に向かってきたドイツ第17装甲師団の部隊にあっさりと撃破され補給線を回復されてしまった。やはり第81騎兵師団は弱い! しかし、枢軸軍の北への攻撃を妨害する時間稼ぎにはなった。

第20ターン

つかれきった部隊で4ヶ所で攻撃を行ったがすべて成功したものの1ヶ所として枢軸軍を全滅させる事ができず、前進できたのは2ヶ所だけだった。北からは第17装甲師団が側面を守る第4機械化軍団の部隊にさらに攻撃を加えて、さらに圧迫してきた。ニージネ・クムスキー方面の枢軸軍は補給線を回復したまま動こうとはせず、昼間があと1ターンしかないことも考えればもう拠点の制圧状況は変化しないであろう。

第21ターン

最後の力を振り絞って3ヶ所で攻撃を行い、その全てを成功させて6ユニットの枢軸軍を壊滅させる事ができた。しかし、ザリフスキーにはついに隣接することすらできなかった。幅3ヘクスの回廊が枢軸軍の南北の戦線の中央部にできつつあり、ソ連軍には十分な予備部隊もある。あと1日時間があればノヴォアクサルスキー方面へ突破し、枢軸軍の3分の1のユニット(恐らく実戦部隊の過半数)は補給切れにできたというのに残念である。

第22ターン~第23ターン

ドイツ軍が第7機甲軍団の第19戦車旅団に夜間攻撃を加えてきてソ連軍は敗退してしまったが後退する事なく現地点に踏みとどまった。ソ連軍は夜間攻撃をしても仕方ないし、疲れきっていて勝てる自信のある地点もなかったため特に動かなかった。

アントノフ・ザリフスキー周辺(シナリオ終了時)シナリオ終了時戦況図

シナリオ結果

シナリオ結果
陣営 合計得点 都市の得点 敵軍破壊得点 攻撃回数 成功率 制圧拠点数
ソ連軍 14,706 13,440 1,266 22 90% 5
枢軸軍 3,013 2,678 335 14 28% 2
両軍死傷者
陣営 歩兵 装甲 工兵 対戦車 砲兵 対空 航空
ソ連軍 42 5     1    
枢軸軍 87 30 6        

感想と反省

初めて行ったメール対戦だったが、初期の拠点を守り切って勝利する事ができた。勝因としてはまず枢軸軍がほぼ予想ないし期待したとおりの作戦をとった事であろう。ザリフスキー方面からアントノフを目指して直進してくる作戦はこのシナリオの枢軸軍の正攻法ともいえるものであり、ソ連軍としてはこの攻勢に対処すべく第13機械化軍団の全力を投入して持ちこたえる事ができた。恐れていたのはある程度の兵力でこの作戦を行いつつ、アントノフ南方の第302狙撃師団の戦線を狙われることであった。ソ連軍としては第1の攻勢に備えるのが精一杯であり、ジュートヴァ駅を南方から狙う攻勢には初期配置の兵力だけでは対処しきれない。陣地構築しつつ遅滞戦術を取るしかないと覚悟していたがこの方面では攻勢は行われなかった。また、北方にも枢軸軍の強力な部隊は当初は現れず、第4機械化軍団と第7機甲軍団は比較的順調に南下できた。

もっとも、それにしてもこれだけの差がついたのは第5ターンの攻防が最大の要因であろう。第5ターンの夜間攻撃で枢軸軍が一時的にしろアントノフへの攻撃能力を失って時間を稼ぐ事が出来、その間にアントノフを難攻不落にできた。

ソ連軍として反省すべき点は第81騎兵師団の使い方である。枢軸軍の北方に向けられる戦力が少ないとわかった時点で南下して東へ進む枢軸軍の後背を脅かすべきであった。また、第4機械化軍団と第7機甲軍団の攻勢も最終的には攻勢正面が狭かった事によってザリフスキーを攻略できずに終わってしまった。もっと西よりに攻撃すれば、枢軸軍としてはノヴォアクサルスキーにも注意を払わなければならなくなり、より大きい戦果を上げれた事だろう。

このメール対戦を対戦相手の栗原さんの側から見たリプレイを読むと栗原さんが北の3拠点への攻撃を考えていたという事実が分かりました。てっきり主攻勢は東か、あるいは南北の遮断が目標だと最後まで思っていたのですが。あとノヴォアクサルスキーがあんなに無防備だったとは思いませんでした。こんなことなら、第81騎兵師団を南下させれば良かったと後悔しています。

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