スターリングラード

シナリオ1「ヴォルガ河をめざせ!」ソ連軍(1997年10月15日)

戦闘序列

>ソ連軍部隊組織

 スターリングラード方面軍──第62軍──第37親衛狙撃師団

                         ──第39親衛狙撃師団

                         ──第95狙撃師団

                         ──第193狙撃師団

                         ──第308狙撃師団

                         ──第6親衛戦車旅団

枢軸軍部隊組織

 第6軍──第51軍団──第14装甲師団

                 ──第94歩兵師団

                 ──第305歩兵師団

                 ──第389歩兵師団

作戦構想

このシナリオは,、スターリングラードの市街戦の末期を扱っている。市内に突入した枢軸軍は全市街の占領を狙っているが、ソ連軍としてはこれを阻止しなければならない。

シナリオ開始時点で危険な状態にあるのは特に赤いバリケード工場である。ここは戦線との距離が最も近く、戦線がくびれていて三方から攻撃を受けかねない。後方で陣地の構築を急ぐ必要があるだろう。その他の戦線でも陣地が構築されている部分は少ないので第2線陣地を司令部や予備部隊に掘らせて、完成したら後退させることによって防衛線を強固なものにすることができるであろう。市街戦にとっては作戦構想よりもその場その場の判断と陣地構築などの準備が大事であるといえる。

10月17日

補給は全部隊「防御」

シナリオ開始時戦況図シナリオ開始時の状況

第1ターン

赤いバリケード工場付近に重点的に予備戦力を集め、その他の戦線でも隙間なく並んでいる陣地を間引いて部隊を抽出し、スタックを強化する。開始早々から枢軸軍は激しい砲爆撃の支援を受けて4ヶ所で攻撃を行ってきた。このうち、チュイコフに直接指揮をさせていた最北端の地点の攻撃は撃退したものの、残りは後退を余儀なくされた。このうち、特に深刻なのが市街中央部における2ヶ所からの浸透である。このあたりは、重要拠点から距離があるので比較的軽視していたが、十分な予備兵力のない現状では下手をするとフェリーが発着し、補給・増援のルートにもなっている渡河点が危機にさらされかねない。

第2ターン

戦線中央部も危険だがまだわずかに後退する余地がある。また、ドイツ軍の装甲部隊は北部から攻撃してきているようである。このため北へ送った唯一の戦車部隊、第6親衛戦車旅団は北端の防衛強化に使用する。中央部へは送る戦闘部隊がないので司令部をかき集めて送り、塹壕を掘らせることにする。冬のロシアの気候は厳しいようで前のターンに攻撃した枢軸軍の部隊はかなり混乱し疲れて戦力が低下しているようだ。このターンも北部と中央部で攻撃があり、北部は守り切ったものの、中央部では更に後退を余儀なくされた。しかし、ドイツ軍の攻撃力は弱ってきているようだ。

第3ターン

2ヶ所で攻撃を受けたが後退せず踏みとどまることに成功した。戦線北部での兵力配置は完了し、今後到着する援軍は中央部に回すことにする。南部では枢軸軍の兵力が弱く、ソ連軍の防衛線は攻撃も受けていない。

第4ターン~第6ターン

枢軸軍は戦線中央部で夜間攻撃を行い、一定の成功を収めたものの、前進することはできなかった。第5ターンには増援の第95狙撃師団が到着した。この部隊を戦線中央部に配置すれば枢軸軍の攻撃を食い止めることも可能であろう。第6ターンまでの移動でなんとか渡河して渡河点付近に集結させることができた。

10月18日

補給は全部隊「防御」

第7ターン

第7ターン戦況図中央部で侵攻しつつある枢軸軍(第7ターン開始時)

枢軸軍は北部の赤いバリケード工場付近に砲爆撃を集中させている。やはりすでに隣接することに成功したこの工場の奪取を最優先しているようだ。北部と中央部で攻撃されたがかろうじて撃退した。せっかく到着した第95狙撃師団だが夜間渡河の疲労が激しく、今日は使えそうにない。

第8ターン

枢軸軍の攻撃によって赤い10月工場から2ヘクスの地点にまで侵入を許してしまった。中央部に3個大隊程度の突出部ができてしまったがここを足がかりに反撃する力があるわけでもないので撤収するしかないだろう。河から3ヘクスの地点にまで追いつめられた。もう後退する余地はなくなりつつある。

第9ターン

北部では赤いバリケード工場に攻撃が行われたがこれは撃退した。しかし、中央部ではまた2ヶ所において後退を余儀なくされ、河から4ヘクスの防衛ラインは事実上崩壊した。

第10ターン~第13ターン

枢軸軍はさすがに相次ぐ連続攻撃による部隊の損耗に耐えきれなくなったのか、中央部において1ヘクス後退してソ連軍との距離を置いた。補充と再編成を行って明朝に攻撃を再開するつもりであろう。ソ連軍にはこれに乗じて防衛ラインを前進させるほどの余力はないので補充・休養をしつつ、突出している部隊を撤収させ、戦線を整理した。

10月19日

補給は全部隊「防御」

第13ターン

第13ターン戦況図ソ連軍は中央部で強力な陣地に部隊を収容することに成功(第13ターン開始時)

枢軸軍は北部の赤いバリケード工場付近に砲爆撃を加えつつ、中央部で再びソ連軍戦線に隣接してきた。

第14ターン

枢軸軍は赤いバリケード工場に攻撃をしかけてきたものの、ソ連軍によって攻撃は失敗に終わった。

第15ターン

ソ連軍は赤いバリケード工場に対する再度の攻撃を枢軸軍に大きな損害を与えて失敗させた。また中央部の赤い10月工場付近に対する攻撃も何とか持ちこたえた。

第16ターン~第18ターン

枢軸軍は第16ターンに赤い10月工場付近と戦線最北端、第18ターンに渡河点付近に攻撃をかけてきたがすべて失敗した。疲れきった枢軸軍は陣地にこもるソ連軍に対し1対1程度の戦力比しかたたなくなりつつある。

10月20日

補給は全部隊「防御」

第19ターン

二重の縦深陣地をしいたソ連軍(第19ターン開始時)第19ターン戦況図

おおむね強固な防衛線を築く事に成功し、河から3ヘクス程度しか保持していないソ連軍はもはや現地点を死守する事にした。枢軸軍は数カ所で砲爆撃を行い、赤い10月工場東の突出している戦線に攻撃をかけてきたが、ソ連軍はこれに大きな損害を与えて撃退した。

第20ターン

3ヶ所の攻撃のうち2ヶ所は攻撃側に大きな損害を与えて撃退したものの、赤いバリケード工場の北半分のヘクスでは枢軸軍の攻撃が成功し、陥落寸前になってしまった。

第21ターン

赤いバリケード工場の危機にソ連軍はチュイコフを投入し、第37親衛狙撃師団司令部まで投入して、ドイツ第389歩兵師団の攻撃を何とか撃退した。

第22ターン~第24ターン

枢軸軍は夜間の初めの2ターンは砲撃を繰り返すのみであったが、第24ターンには4ヵ所で猛烈な夜襲を行った。ソ連軍はこの全てを撃退したものの、ラズール化学工場と赤い10月工場の間にドイツ第305歩兵師団の浸透を許してしまった。

10月21日

補給は全部隊「防御」

第25ターン

枢軸軍は夜襲による混乱のためか砲爆撃を加えるだけで一切地上攻撃を行わなかった。

第26ターン

赤いバリケード工場北部と赤い10月工場の西側の戦線に攻撃が行われたが両方とも撃退した。

第27ターン

4ヶ所の攻撃のうち、3ヶ所は撃退したものの、赤いバリケード工場南部の西側のヘクスでは枢軸軍の攻撃が成功し、守備隊の半数がたたき出されてしまった。

第28ターン~第29ターン

第28ターンには3ヶ所、第29ターンには2ヶ所で枢軸軍は夜襲を行ったが、1回しか成功せず、1ヶ所もソ連軍陣地は奪取されなかった。

シナリオ終了時戦況図シナリオ終了時の状況

シナリオ結果

シナリオ結果
陣営 合計得点 都市の得点 敵軍破壊得点 攻撃回数 成功率 制圧拠点数
ソ連軍 7,832 6,541 1,291 0   7
枢軸軍 305 0 305 54 40% 0
両軍死傷者
陣営 歩兵 装甲 工兵 対戦車 砲兵 対空 航空
ソ連軍 53 1     <1    
枢軸軍 65 3 24        

感想と反省

重要拠点を1ヶ所も枢軸軍に渡さずに守り切る事ができた。といってもソ連軍としてはできうる限りの防御をしたが、勝利したのは枢軸軍の攻撃が拠点を直接的に狙うかあるいは平押しによる攻撃ばかりでいたずらに消耗して攻撃力を落としていったためであるといえる。ただでさえ消耗しやすい陣地戦・市街戦において夜間攻撃を多用したのも枢軸軍の失敗であるといえよう。

このシナリオにおいてソ連軍にできる事はなるべく前方で枢軸軍を食い止めている間に手の空いた司令部や砲兵などで拠点の周囲に陣地を構築する事、そして1日目の夜間に到着する増援の第95狙撃師団を枢軸軍の攻勢の脅威に対して適切に配置する事である。あとはひたすら耐えるしかない。ただ、枢軸軍の攻勢軸を読み誤らなければそれだけで勝利する事ができるであろう。よほど絶対的な優勢が確立されなければ攻撃はしてはいけないし、する必要もない。

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