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2007年9月27日

マッターホルン[Matterhorn/4478m]

ガイド

標高4478m。スイスとイタリアとの国境にそびえるヴァリス・アルプスの山であり、アルプスで最も有名な山である。スイス側のツェルマットからみえるそのとがった山容は美しく、山に興味の無い人でもどこかで目にすることがあり、さまざまなポスターやイメージに使われている。登山史からいえば、アルプスの高い峰で最後まで登頂がおこなわれず、登頂をめぐる競争のドラマとエドウィン・ウィンパーらのパーティが登頂した後に滑落とザイルの切断により4人が死亡した悲劇もその名を高めている。

案内

ノーマルルートは、初登頂と同じヘルンリ稜である。これは、シュヴァルツゼーからヘルンリ小屋まで歩き、そこで1泊し、翌早朝にヘルンリ稜を登って頂上に達し、登頂後はそのまま戻るコースである。難易度はAD-とされている。ツェルマットの山岳ガイドと登山する場合は、いきなりこの山に挑戦するのは許されておらず、周辺の山で岩登り等をしてある程度の体力・岩登り能力がないと登らせてもらえない。

マッターホルンは、スイス側、特にツェルマットやスネガから眺めるほうが左右対称に近い美しい三角錐であり、よく知られているが、みる角度をずらせば必ずしも三角錐でなく、マッターホルンとは気づかない形をしていることもある。時間があれば、東側にのびるツムットの谷をハイキングしたり、ヨーロッパ最高所の展望台クライン・マッターホルンから眺めたり、冬であればイタリア側のチェルヴィニアまでスキーで下りたりしてさまざまな方角から眺めてみるとよい

コメント

ツェルマットの登山ガイドと共に2003年7月ヘルンリ稜経由で夫婦ともに登頂できた。モンブランに続いて登ったのだが、とにかくよじ登ったという記憶が強い。登山者が多くて確保点の奪い合いや人為的理由による落石もあり、静かに岩や山を楽しむという雰囲気では残念ながら無い。ただ、それでも一度は登りたくなるのがこの山の魔力といえる。登山基地となるヘルンリ小屋も規模は大きいが、他の山小屋に比べるとサービスが悪くビジネスライクである。夏でも雪が降ることも多く、雪が降るとガイド登山では登れない。

マッターホルン[Matterhorn/4478m]のデータ

項目内容
標高4478メートル
登山難易度ヘルンリ稜はAD-
初登頂年1865年
初登頂者エドウィン・ウィンパー
頂上からみえる周辺の山モンテローザ、ヴァイスホルン、オーバーガーベルホルン、ダン・ブランシュ、ツィナールロートホルンなどヴァリス山群の山々やモンブランなど多数
展望ポイントツェルマット、スネガ、ウンター・ロートホルン、シュヴァルツゼー、ゴルナー・グラード、クライン・マッターホルン

マッターホルン[Matterhorn/4478m]のリンク集

関連リンク

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関連登山記録

たぬ、ヘルンリヒュッテへ
たぬ、雪のマッターホルンへ
TADA、ヘルンリヒュッテへ
TADA、マッターホルン登頂
たぬ、再びヘルンリヒュッテへ
たぬ、マッターホルン登頂
リッフェルゼーに映るマッターホルン(夏)

リッフェルゼーに映るマッターホルン(夏)

スネガからのマッターホルン(夏)

スネガからのマッターホルン(夏)

ゴルナーグラードからのマッターホルン(冬)

ゴルナーグラードからのマッターホルン(冬)

イタリア側チェルヴィニアからのマッターホルン(冬)

イタリア側チェルヴィニアからのマッターホルン(冬)

ユングフラウ[Jungfrau/4158m]

ガイド

ベルナー・オーバーラントにある山。標高4158m。ベルナー・オーバーラント山群の主峰。アイガー、メンヒとともにユングフラウ三山と呼ばれるがその中で最も標高が高い。ベルン州と、ヴァレー州の境界にあり、標高は4158m。氷河にきざまれたするどい稜線をもっているが、頂上付近は雪に覆われて美しく、ドイツ語で「乙女」「処女」を意味する優雅な名称がついている。この山とメンヒの鞍部のユングフラウヨッホまでユングフラウ登山鉄道が敷設されているが、ユングフラウヨッホからは少し歩かないと山頂は望めない。

案内

登頂へのノーマルルートは、ユングフラウ登山鉄道でユングフラウヨッホまで登り、最初は岩場で後は雪稜を登るコースである。登頂後は行きのルートをユングフラウヨッホまで戻る。難易度はPDとされている。この山は名前は美しい名前がついているが、その名前にふさわしい眺めを楽しめる展望ポイントは限られており、インターラーケンなど北東方面にそれなりに距離をおかないと優雅な感じの山の外観をみることはできない。

コメント

たぬのみ、グリンデルワルトのガイドと共に2004年7月にノーマルルートから登頂できた。頂上からはメンヒ、アイガーが間近に見え、迫力がある。また、クライネ・シャイデックからグリンデルワルト方面にかけての緑のアルプも美しい。

ユングフラウのデータ

項目内容
標高4158メートル
登山難易度PD
初登頂年1811年
初登頂者マイヤー兄弟
頂上からみえる周辺の山メンヒ、アイガー
ユングフラウ[Jungfrau/4158m]の展望ポイントシルトホルン、メンリッヒェン、クライネ・シャイデック、シーニゲプラッテ、インターラーケン

ユングフラウ[Jungfrau/4158m]のリンク集

関連リンク

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関連登山記録

たぬ、ユングフラウ登頂
メンリッヒェンからのユングフラウの夕焼け(夏)

メンリッヒェンからのユングフラウの夕焼け(夏)

クライネ・シャイデックからのユングフラウ(夏)

クライネ・シャイデックからのユングフラウ(夏)

メンヒ頂上からのユングフラウ(夏)

メンヒ頂上からのユングフラウ(夏)

シルトホルンからのユングフラウ(冬)

シルトホルンからのユングフラウ(冬)

2007年9月24日

アイガー[Eiger/3970m]

ガイド

スイスのベルナー・オーバーラントにある山。標高3970m。その北壁はマッターホルン、グランド・ジョラスとともに、登攀(とうはん)の困難なアルプス3大北壁とされている、北壁は、ほとんど垂直の氷壁で、標高差は1800m、これまで50人余りの登山家が犠牲になっている。北壁以外のルートからの初登頂は1858年に達成されていたが、北壁をはじめて征服したのは1938年、オーストリアのH.ハラーらのパーティである。アルプス登攀史上もっとも大きな出来事とされている。また、ミッテルレギ稜は、1921年夏、日本の槇有恒と現地のガイドで初めて登られた。その成功は、日本の登山に大きな影響を与えた。また、現在は建て替えられたが、旧のミッテルレギヒュッテは、槇の寄付によって建てられ、今はアイガーグレッチャー駅近くに保存されている。

案内

一番よく使われている登頂ルートはミッテルレギ稜(東稜)である。これは、ユングフラウ登山鉄道のアイスメーアで下車し、氷河と岩場を越えてミッテルレギヒュッテで1泊し、翌早朝にミッテルレギ稜、グランド・ツルム等を経由して頂上に達し、アイガーヨッホ、メンヒスヨッホ経由でユングフラウヨッホに抜けるコースである。難易度はADとされている。

コメント

グリンデルワルトのガイドと共に2004年7月にミッテルレギ稜経由で夫婦ともに登頂できた。モンブラン、マッターホルンに比べると、人が少なくクライミングを楽しむことができた。また、頂上は4000mに届かないので事前にメンヒなどに登っておけば、高度順応的にも楽であった。岩山というイメージだが頂上は美しい雪稜であり、今でもアルプス登山の中での最も素晴らしい思い出である。なお、この山の登山情報は、有名な山なのにアルプスの他の名峰に比べると非常に入手しにくい。それはこの山の標高が4000mより低いので日本で山と渓谷社の「アルプス4000峰登山ガイド」に掲載されておらず、洋書でもなにかと4000m峰でないということで情報が省かれていたりする。これほどの山なのでわずか30mの差などどうでもよくおまけで載せてくれればよいのにと思った。

アイガーのデータ

項目内容
標高3970メートル
登山難易度ミッテルレギ稜はAD
初登頂年1858年
初登頂者チャールズ・バリントン
頂上からみえる周辺の山ヴェッターホルン、メンヒ、ユングフラウ
アイガーの展望ポイントグローセ・シャイデック、フィルスト、グリンデルワルト、クライネ・シャイデック、ミューレン、シルトホルン

アイガーのリンク集

関連リンク

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関連登山記録

TADA、メンヒ登頂
TADA、アイガー登頂
たぬ、アイガー・ミッテルレギ小屋へ
たぬ、アイガー登頂
アントゼーヴェンに映るアイガー(夏)

アントゼーヴェンに映るアイガー(夏)

アイガー頂上とメンヒ、ユングフラウ(夏)

アイガー頂上とメンヒ、ユングフラウ(夏)

シルトホルンからのアイガー(冬)

シルトホルンからのアイガー(冬)

クライネ・シャイデックからのアイガー(冬)

クライネ・シャイデックからのアイガー(冬)

2007年9月23日

ツェルマット[Zermatt] 

ガイド

ツェルマットはヴァレー州にあり、アルプスで最も有名な山であるマッターホルンを見ることができる村であり、国際リゾート地である。ツェルマットはウィンパーの劇的なマッターホルン初登頂の出発地でもあった。マッターホルンだけではなく周囲にはヴァリス山群の38もの4000m峰があり、アルプスの山々や氷河を眺めるための拠点としてはスイス随一といえる場所である。モンテローザや氷河の絶景を眺めることのできるゴルナーグラードやアルプスで最も高い展望台であるクライン・マッターホルン(マッターホルン・グレーシャーパラダイス)にも村から鉄道やロープウェイで簡単にアクセスできる。夏のハイキングだけでなく、冬にはアルプスの名峰を眺めながら滑走できる雄大なスキー場にもなる。ガソリン車乗り入れ禁止のカーフリーリゾートであり、電気自動車こそ走っているが数は多くなく、ほとんど歩行者天国である。環境も静かで清浄に保たれている。

案内

ツェルマット駅前には、インフォメーションセンターもあり、すぐ向かいがゴルナーグラードへ向かう鉄道駅である。駅前の通りを南へ向かうのがメインストリートであるバーンホフ通りであり、ここから教会までの約1km弱くらいが村の中心である。古い家が保存されており、とても美しい。教会の手前にあるホテル・モンテローザはマッターホルンの初登頂者であったエドウィン・ウィンパーも泊まっていた由緒ある宿であり、壁にはウィンパーのレリーフがはめこまれている。バーンホフ通りを教会をこえてさらに進むとクライン・マッターホルンやシュヴァルツゼー方面のゴンドラ乗り場がある。スネガ・ロートホルン方面の地下ケーブルの乗り場は村の東側のマッターフィスパ沿いにある。夏には朝晩、羊の行進があり、子供連れにはおすすめである。

コメント

これまでに夏2回、冬1回ののべ5週間滞在しているスイスでもっとも好きな場所のひとつ。日本語観光案内所こそないが、観光や登山のシステムはグリンデルワルト以上に整っている。個人的にはゴルナーグラードはスイスナンバーワンの絶景であると思う。ゴルナーグラードクルムホテルに宿泊して、天候に恵まれれば朝晩の紅くそまる山々も眺めることができた。また、ローテンボーデンではリッフェルゼーに映るマッターホルンを鉄道駅近くで楽しむことができる。

夏には日本人観光客だらけだが。冬の景色は(冬の景色の方が)息をのむほど美しく、スキーやウィンターハイキングを楽しむこともできる。もっとも眺めがあまりにも美しすぎてスキーは単なる移動手段化しており、純粋にスキーだけ楽しみたい人には向かないかもしれない。

なお、ツェルマット周辺の展望台は標高が高く、子供連れの場合は高度順応などに配慮が必要である。

データ

標高

1631メートル

アクセス

チューリヒからベルン、ブリーク経由で約5時間、ジュネーブからはブリーク経由で約4時間

宿泊

ホテル、貸し別荘もいろいろなランクがあり、とても数が多い。

ツェルマットから見える主な山

  • マッターホルン
  • ドム
  • ターシュホルン

ブライトホルンも頂上が見えるがほんの一部なので除外。

ツェルマットから登れる展望台

  • ゴルナーグラード
  • ロートホルン
  • スネガ
  • シュヴァルツゼー
  • クライン・マッターホルン
  • トロッケナーシュテーク

ツェルマット周辺の都市、街、村

  • サース・フェー
  • ブリーク

リンク集

関連リンク

スイス観光局 ツェルマット観光局 ウィキペディア日本語版
Wikipedia

たぬたぬのコンテンツ

旅行記

ヴァイスホルン登山とツェルマット周辺ハイキング(2006年夏)
マッターホルン・ブライトホルン登山(2003年夏)
グリンデルワルトとツェルマットでスキー(2001年冬)

2007年9月21日

グリンデルワルト[Grindelwald]

ガイド

グリンデルワルトはベルン州山岳地方(ベルナー・オーバーランド)にあり、アイガー北壁とヴェッターホルンを眼前にする村である。日本人がアルプスに抱く緑の牧場と白い峰というイメージにぴったりな村であり、トップ・オブ・ヨーロッパと呼ばれるユングフラウヨッホへの観光の起点としても日本人に絶大な人気がある。このため、ユングフラウヨッホと組み合わせて訪れる日本人観光客が多く、村では日本語の看板もよく見られる。ユングフラウヨッホ以外にもフィルストなど多数の展望台が周辺にあり、ベルナーアルプスの観光の拠点としては最適である。日本の松本市(旧安曇村)と姉妹都市。

案内

グリンデルワルト駅前にはスイスの日本語観光に欠かせない日本語観光案内所があり、さまざまな情報を日本語で入手できる。バス乗り場もあり、グローセ・シャイデック、ブスアルプ、ワルドシュピッツなどへバスが発着している。フィルストへ上がるゴンドラは駅前からメインストリートであるハウプト通りを東に徒歩10分のところに乗り場がある。プフィングシュテック行きのロープウェイ乗り場はそこからさらに教会の手前を右に曲がって5分くらいである。

コメント

これまでに夏2回、冬2回ののべ6週間滞在しているスイスでもっとも好きな場所のひとつ。日本語案内所を通して貸し別荘も手配しやすく、スイス初心者むけではあり、周辺には観光ポイントや展望台、名峰も多く、あきないが、ツェルマットに比べるとカーフリーではない(ガソリン自動車が町の中を走っている)のだけはマイナスである。

古くから日本人登山家に愛されてきた村で駅前や道を歩くと驚くほど多くの日本人観光客に出会う。ただし、ユングフラウ3山のうち、この村からはアイガーしか見ることはできない。その代わり、ヴェッターホルンを背景としたこの村の風景は有名で見たこともある人も多いと思われる。夏には日本人観光客が多いが冬には少なくなる。冬の景色は(冬の景色の方が)息をのむほど美しく、ウィンターハイキングを楽しむこともできる。

この村の宿泊者にはゲストカードが発行され、スポーツセンターのプールとアイススケートリンクが無料(各種レンタル料が必要な場合がある)利用できる。長期に滞在する予定の方は、天候の悪い日は必ずあるはずなので水着をもっていくと休養日には楽しめる。ここのプールは飛び込み台があり、子供なら(大人でも)喜ぶことは請け合いである。

データ

標高

1034メートル

アクセス

チューリヒからベルン経由の特急で約2時間、ルツェルン経由だと3時間弱でインターラーケン・オスト駅に到着し、BOB鉄道に乗り換えて30分から40分

宿泊

ホテル、貸し別荘もいろいろなランクがあり、とても数が多い。

グリンデルワルトから見える主な山

  • アイガー
  • ヴェッターホルン
  • フィッシャーホルン

グリンデルワルトから登れる展望台

  • ユングフラウヨッホ
  • フィルスト
  • プフィングシュテック
  • メンリッヒェン
  • グローセ・シャイデック
  • クライネ・シャイデック
  • ブスアルプ

グリンデルワルト周辺の都市、街、村

  • ウェンゲン
  • ミューレン
  • インターラーケン

リンク集

関連リンク

スイス観光局
グリンデルワルト観光局
グリンデルワルト日本語観光案内所
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たぬたぬのコンテンツ

旅行記

アイガー・メンヒ・ユングフラウ登山(2004年夏)
グリンデルワルトでスキーとウィンターハイキング(2002年冬)
グリンデルワルトとツェルマットでスキー(2001年冬)
グリンデルワルト周辺ハイキング(2001年夏)
グリンデルワルトからヴェッターホルンを望む(夏)
グリンデルワルトからヴェッターホルンを望む(冬)