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アイガー・メンヒ・ユングフラウ登山(2004年夏)

TADA、アイガー登頂

2004年07月28日


09:12 アイガー頂上のTADA


5:00頃 起床して朝食をとる。でも4:00前から起きて食事をしたり準備している人が結構いる。こんなに遅くてよいのかと思うが、ガイドのウールスは寝ているので少しでも休もうとするが、頭痛が残っていて眠れない。結局5:00になってしまい、起床して食事をする。夕食も美味しかったが、朝食も美味しかった。ウールスに「調子はどうだ?」と聞かれたので「昨日に比べればよい」と答えると「どうする?」と聞かれる。今日のコースは縦走なのでマッターホルンのように途中で引き返すわけにはいかない。一瞬迷ったが、戻るのも結構大変だし、返事は「行く!」。


5:40ごろに出発する。宿泊者の中ではかなり遅いほうだ。ナイフリッジを慎重に通過し、岩場に取り付いて登っていく。太陽が昇ってきて山が赤くなるときもあったが、カメラを背中のザックから取り出すこともできず、目に焼き付ける。前のパーティに追いついてしまい、スタカットで登るので小休止が何回かある。周りの絶景にこのまま写真を撮らないのはもったいなくなり、壊れても良い覚悟でザックからすばやくカメラを取り出して首にかけ胸にしまいこんだ。




出発して1時間強してかた振り向くと稜線上にミッテルレギの小屋が小さく見える。体調はよくなってきたが、気を抜けないコースである。


大ジャンダルムが姿を現した。ミッテルレギ小屋から見えていた頂である。穂高のジャンダルムにも登ったがもっとすごい。




天気は快晴であり、朝の光を浴びて山々が美しい。


なるべく腕の力を使わず、足で登ろうとしているが、技量が未熟なので腕を使う場面が多くなり、少し疲れてくる。しかし、気合が入っているせいか、頭痛はなくなり、体調は良い。




07:00 大ジャンダルムに取り付く。固定ロープが設置されていなければTADAには絶対に登れない岩だ。


先行パーティを見ながら自分もウールスが確保してから登る。ウールスは鼻歌まじりで上機嫌だ。確かにマッターホルンの登山者密度ではこの岩場は登れないが、マッターホルンやモンブランに比べればかなり登山者が少ないので快適である。




岩にへばりついてヴェッターホルンを見る。


ここまでにガイド登山でないパーティはほとんど追い抜かしてしまった。当たり前かもしれないがルートファインディング、動作の速度と正確さでガイドは圧倒的であり、足手まといのTADAがいてもらくらくである。




メンヒへ向かう稜線が見える。登頂した後は向こう側に下りて、今見えている稜線を半分以上縦走して、メンヒの手前で左側にトラバースするはずである。


ちなみに右側はアイガー北壁で覗き込むとこのとおり、落ちたら100パーセント天国行き確実。




腕が張ってくるが、必死でがんばる。ピークを越えて振り返るとあんなところを越えてきたとは信じられない。


大ジャンダルムの登りの平均斜度は60度はあると思う。




たまに後ろを見ると、「もう帰れない。あんなところは下りれない。進むしかない」という決意が強くなる。


フィルスト、グローセ・シャイデック、ヴェッターホルンの下にグリンデルワルトがある。「たぬとNAOMIはもう起きてユングフラウヨッホに来る準備をしているかな?」




ずうっとこんな登りが続く。


なんか一息つけそう。もうこんなところ終わりかな。頂上は近いはずだし。




北壁も頂上近くになってくると(これでも)傾斜がゆるくなっている。


後ろを振り返るとこんなところを戻るくらいならどんな斜面や岩場でも登れる気がする。




まだまだ続く


まだ続く




ここに来る前に写真で予習したときには、すごいところに立っていると思ったが、慣れてくると当たり前になってくる。だんだん高くなってきました。突然岩場が途切れて雪稜になり、その向こうには頂上が見えた。


9:10 頂上に到着。うれしかった。感動した。きれいだった。




ガイドのウールスと頂上


頂上を少し越えたところで登山者が休憩している。TADAとウールスもそこで休んでバナナを食べたり、飲み物を飲んだ。




なつかしのモンブランも見えた。


頂上をもう一度振り返ってから、少し下ったところで休む。




アイガーの影が緑の草原に映っている。中央やや上がクライネシャイデック。


右手前の山がメンリッヒェンで奥にはトゥーン湖。ベルンまで見える。天気は最高だった。




少し下りてから頂上を見る。雪のきれいな山頂だった。


ラウターブルンネンの谷やシルトホルン方面の眺め。




中央やや上にアイガーグレッチャー駅が見える。高度差は1650mある。


崖の上にあるミューレンの村




ユングフラウもかっこいい


30分ほどゆっくりしてから9:40に下り始める。たぬとNAOMIとの待ち合わせ予定は15:00だがウールスによると大丈夫とのこと。下りは懸垂下降を多用してラクチン。マッターホルンのときは懸垂下降(セーリング)で岩にぶつかり、痛かったが、ウールスは懸垂下降のさせ方が上手で楽しく降りれた。




ウールスの下り方はほれぼれするほど上手い。まったく危なげない。


10:36 アイガー山頂からの急斜面の下りを一旦終える。また登らなければならない。トホホ。盛岡から来た日本人のパーティに会う。今朝ユングフラウヨッホまで登山電車で登ってきてアイガーに向かっている途中(TADAと逆コース)とのこと。「この先どんな感じですか?」と聞かれるが相手の技量(TADAより上に決まっているが)もわからないので「登るのはかなり大変ですよ」といっておいた。逆コースは登りに固定ロープの設置も少ないし、ガイドもいないことを考えるとアイガーに登ってその後ミッテルレギ小屋あるいはメンヒヨッホ小屋に戻るにはぎりぎりの時間(あるいは無理)ではないかとは思った。




ヴェッターホルン(3701m)。眺めは相変わらず最高。


フィッシャーホルンも大分角度が変わってきた。




ウールスがロープを投げる。南アイガーヨッホからはまた登りで疲れてきたTADAには厳しい岩登りであった。


メンヒの手前の稜線が雪になっているところまで行くとあとは雪原歩きである。まだ遠い。




アイガーを振り返る。名残惜しい。


南アイガーヨッホはもう少し。




フィッシャーホルンはグリンデルワルトの裏側から見ると比較的簡単そう。表側からはとても登れそうもないが、、、


12:14 南アイガーヨッホに到着せり。これで岩場はもうない。




雪原歩きに備えて、ロープの長さを調整するウールス。雪原とはいえどこにクレヴャスがあるかわからないのでアンザイレンは必須である。


ひたすら雪の上を歩くが、TADAの足の筋肉はもう限界。遅れ気味でウールスに迷惑をかける。




振り向くとアイガーがかっこいい。あれに登ったかと思うとしあわせ。


12:47 メンヒヨッホ小屋の下を通過。ウールスに休んでいくかと聞かれたが、たぬが15:00の待ち合わせの前にNAOMIに犬ぞり体験をさせるために早めに電車でユングフラウヨッホまで登ってくると思われ、早く交代すればそれだけたぬが早くミッテルレギ小屋に出発できるので休まずユングフラウヨッホに向かう。




メンヒヨッホ小屋を過ぎるとウールスはアンザイレンもといてハイキング状態。家族連れや観光客が結構いる。しょいこに背負った子供はNAOMI並みかNAOMIより小さそう。高山病は大丈夫なのだろうか。


12:56 あと少しで到着。



ユングフラウヨッホではすでにたぬとNAOMIが上がってきていて、無事待ち合わせは成功するが、NAOMIは氷の宮殿を見ただけで「さむい」と行って寝てしまったらしい。駅は暖房がよく効いていてまったく寒くは無いが、高山病の可能性もあるのでたぬにすばやく荷物を引き継ぎ、たぬとガイドはアイスメーア駅経由でミッテルレギ小屋へ向かい、ただはNAOMIを連れてグリンデルワルトへ帰ることにする。帰りの電車を待つ人がすごかったが、なんとかある車両にもぐりこむ。座席には座れなかったが、乗降口のステップにNAOMIをだっこして座り込んだ。



16:10 クライネシャイデックで電車を乗り換え、グリンデルワルト行きでは座席を確保できなかったのでグルント行きに乗る。これでグルントで下りて、グリンデルワルト行きに乗り移るつもりである。


快晴状態がまだ続いていて、ユングフラウやシルバーホルンが美しい。




幸せなTADAとNAOMIを乗せてヴェッターホルンの麓のグリンデルワルト目指して電車は走る。


アイガー北壁を見上げると、この上に今日の午前中までいたことが夢のようである。




ミッテルレギ小屋が見える。たぬとウールスはもうついたかな?


グルントでは、グリンデルワルト行きが先に発射してしまい、乗り換えに失敗。30分待ちとなり、周辺を散策する。NAOMIも元気を回復。良かった。




その夜、21:00頃。アイガーは真っ赤に染まった。たぬには「絶対に21:00までは寝ないで夕焼けをみないと後悔する。絶景だ」と伝えたのであの稜線から燃える山々をみているだろう。


幸せな気分で眠りに着く。


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