ロンメル装甲師団1941

シナリオ1「ムッソリーニの誇り」連合軍(1997年2月11日)

シナリオ内容

連合軍部隊組織

第1南アフリカ師団──第22機甲旅団

枢軸軍部隊組織

イタリア第20軍団──第132アリエテ師団──第8連隊

作戦構想

このシナリオは「クルーセイダー作戦」初期攻勢の一部として連合軍の第22機甲旅団に支援された第1南アフリカ師団のビル・エル・グビへの攻撃を扱っている。

連合軍は勝利するためには、5ヶ所の重要拠点のうち3ヶ所以上を制圧する必要がある。連合軍は2つの部隊から構成されている。第22機甲旅団は質的にも7と高い精鋭部隊だが、数が少ない。第1南アフリカ師団は、連合軍の攻撃防御力の大半を占めているが質は4と最低であり、頼りにならないが、それでもこの部隊を使わざるをえないところにこのシナリオの連合軍の苦しさがある。この2つの部隊でイタリア軍の精鋭アリエテ師団(質は7)と予想される第20軍団の増援部隊に立ち向かわねばならない。第1南アフリカ師団の質の低さを考えると両軍の戦力は互角といっても過言ではないだろう。このため連合軍としては、先手必勝で第1ターンのうちに3ヶ所の重要拠点、ポイント180、エルグデナット、ポイント118を占領してしまい、あとは、なるべく拠点防御は第1南アフリカ師団に任せて、第22機甲旅団を使って攻勢防御を行い、あわよくばポイント181の占領を狙うという作戦を立てた。

11月19日

 補給レベルは第22機甲旅団は「攻撃」、第1南アフリカ師団は「標準」。

第1ターン

連合軍戦闘爆撃機はポイント181を空爆。イタリア軍2部隊(うちひとつはアリエテ師団の第9装甲大隊に10パーセントの損害を与えた。  第1南アフリカ師団は戦略移動を使って全速で北上。ポイント118の北方・東方に5つに別れて展開。自動車化機関銃大隊を第22機甲旅団方面に分派、ポイント180に入らせる。

第22機甲旅団も戦略移動を使い、ポイント180西のヘクスからエルグデナット西のヘクスにかけて部隊をバラバラにして戦線を張り。司令部はエルグデナットに入った。

このターンの移動はほぼ計画どおりに成功。3つの重要拠点を制圧し、かつ、3つの重要拠点に敵に直接接触されないように部隊を配置することに成功した。これで制圧した地点を守り抜けば勝利が手に入るはずである。

しかし、不安要素もないではない。まず、エルグデナットからポイント180にかけての第22機甲旅団の戦線が薄いこと。敵に押された場合は拠点守備部隊(第7戦車旅団司令部と第1南アフリカ師団の機械化偵察大隊)に陣地構築をさせておき、これに第22機甲旅団主力を合流させ拠点防御を行えばよいし、1ヘクスは後退の余地がある。しかし、この場合は補給線の維持が危ない(特にエルグデナット)。拠点防御で補給切れの状態になって持ちこたえられるのはどう考えても1日なので、それまでは敵に押し込まれないようにする必要がある。このためには、第1南アフリカ師団をポイント118から、でさらに北上させ、敵兵力を吸引し、第22機甲旅団との間隙を突かれないように援護する必要があるのだが、この師団の弱さと急速に北上したために戦闘隊形が整っていないのが第2の不安要素である。

第2ターン

第22機甲旅団は敵を押し込んで重要拠点から遠ざけるべく、空軍の支援を集中的に受け、3ヶ所で攻撃を行った。  北方では第2・第3戦車大隊がアリエテ師団の第9装甲大隊に損害を与えて押し込んだ。中央部では第4戦車大隊が接敵したのはダミーユニットのようでこれを撃破しつつ前進した。しかし、南方で機械化偵察大隊が攻撃した敵はアリエテ師団の第8装甲大隊であったようで、かろうじて押し込んだものの、前進したもののさらに敵は増加し、今後に不安を残した。

第1南アフリカ師団はその数を生かして、ポイント118北方のイタリア軍の東方から回り込むように一部を機動させつつ、対戦車中隊を歩兵大隊の援護にあてるために分散させた。しかし、アリエテ師団の第8連隊の1大隊の空軍の援護を伴った攻撃で第1南アフリカ師団の中ではもっとも強力な機械化偵察大隊がポイント118北方の地点からかなりの損害を受けて撃退されてしまった。

第3ターン

先の戦闘の結果と敵との接触により戦線の彼我の戦力がおおよそ判明した。その結果を受けて作戦を立案する。

北方のエルグデナット西方では合流した第2・第3戦車大隊がアリエテ師団の第9装甲大隊を空軍の支援を受けてさらに追撃し、戦線をエルグデナットから大きく遠ざけるのに成功。前面のアリエテ師団の第9装甲大隊は大打撃を受けてほぼ戦力を失ったと推定された。第3戦車大隊は、接触しているのが対空砲、対戦車の中隊という戦車部隊にとってもっとも苦手の相手であるため、攻撃を控え、戦線維持に専念した。南方の機械化偵察大隊は接している敵が強力と思われるため戦線維持に専念。先ほど戦闘したアリエテ師団の第8装甲大隊を砲爆撃で攻撃してかなりの損害を与えた。新たに接触した敵2個大隊の攻撃を受け、かなりの損害を受けつつも撃退に成功した。第1南アフリカ師団は第1連隊の大部分を前面の敵の後方に迂回させて補給路を断つことに成功。また、前面の敵には砲撃を加えたのだが、第5連隊の1大隊と機械化偵察大隊がかなりの損害を受けてポイント118北東のヘクスから再びたたき出されてしまった。敵の歩兵大隊1つの攻撃で2個大隊が敗退するとは‥‥弱すぎる。やはり第1南アフリカ師団は直接の戦闘には向かないようだ。

第4ターン

夜間のターンになったこともあり、一切の移動・戦闘は行わないことにする。ただし、ポイント118の北方で補給線を遮断して包囲した敵3個大隊の脱出だけは気をつけておかねばならない。敵はアリエテ師団の第8装甲大隊が夜間移動してポイント180に接触してきた。伏兵により一定の損害を与えたが、ついに我が軍の弱点である第22機甲旅団の補給線に危機が迫っている。第22機甲旅団の第3戦車大隊を南方にスイングさせる必要があるかもしれない。

第5ターン

迷った末にもう1ターン様子を見た。第3戦車大隊を北方から引き抜けば攻勢は不可能になってしまうし、1個大隊だけでは補給線を完全に遮断はできまいと踏んだのだ。敵はどうやら増援を得た模様でエルグデナット~ポイント181沿いの道路北方とポイント180南方に部隊を派遣する一方で第22機甲旅団の正面の敵戦線も厚味を増した。あわよくばポイント181を奪取しようという作戦は放棄せざるをえない。

第6ターン

敵を増援部隊を第22機甲旅団が担当する戦線に集中的に送っている模様である。夜間移動はやはり避け、もう1ターン敵の動きを見極めたが、敵はほとんど動きを見せなかった。やはり疲労を避けて朝に備えていたようだ。

11月20日

補給レベルは第22機甲旅団は「攻撃」、第1南アフリカ師団は「標準」。

第7ターン

朝になって状況をチェックしたところ第1南アフリカ師団前面の敵部隊2個大隊+1個中隊は補給路を遮断された影響か攻撃能力をほとんど失っているようであった。第1南アフリカ師団は前面の部隊を相手にはせず、包囲網を狭め、第5連隊の1大隊と機械化偵察大隊をポイント180方面に進撃させ、弱点の結節部をなくすことを狙った。途中、機械化偵察大隊はイタリア軍のダミーユニットを破壊した。砲兵隊はポイント180に接触したアリエテ師団の第8装甲大隊に砲撃を集中して一定の損害を与えた。第22機甲旅団の戦線でも第2・第4戦車大隊前面の敵は弱体であるようなので戦闘爆撃機の支援で攻勢を継続した。第2戦車大隊はついにポイント181に隣接することに成功した。また第3戦車大隊と合流して戦力を再結集した。第4戦車大隊も前面の敵戦車大隊に大打撃を与えて前進した。機械化偵察大隊はアリエテ師団の第8連隊の1個大隊の攻撃を受けたが、かろうじて撃退した。

第8ターン

 第22機甲旅団は2個戦車大隊で中型爆撃機の支援のもとにポイント181を攻撃して占領に成功。補給が切れかかっている機械化偵察大隊はエルグデナットへ撤退。第4戦車大隊はポイント181南東の対戦車中隊を攻撃して後退させた。第1南アフリカ師団は機械化偵察大隊で中爆撃機の支援のもと、イタリア第20軍団所属の軽戦車大隊を攻撃して壊滅させ、砲兵隊はアリエテ師団の第8装甲大隊を攻撃した。

第9ターン

ポイント181を占領した以上、これ以上の進撃は戦線が伸び切っており、不可能でもあるため、戦線整理を行う。第22機甲旅団は第2戦車大隊を、ポイント181の北からビルエルグビ方面に移動させたが、敵の強力な部隊に阻止されてしまった。第1南アフリカ師団は機械化偵察大隊をポイント180から181の間の戦線維持にあてる一方で前ターンに包囲し、度重なる砲撃で弱体化していると推測されるポイント180南西のアリエテ師団の第8装甲大隊を砲撃の支援を受けて攻撃したが失敗した。

第10ターン

 第1南アフリカ師団の歩兵1個大隊と砲兵部隊を連絡路維持と第22機甲旅団支援のために夜間戦略移動でポイント180~118の中間に移動させる。

第11・12ターン

ほとんど両軍動かず。

11月21日

補給レベルは全て「攻撃」

第13ターン

ひたすら戦線整理と防衛に専念しつつ砲爆撃を行う。ポイント181への敵の直接攻撃は撃退したものの、その北方で第22機甲旅団の第2戦車大隊が壊滅してしまった。しかも、第2戦車大隊を壊滅させた強力な敵機械化偵察大隊はエルグデナットへ接近しつつある。

第14ターン

第22機甲旅団はエルグデナットへ救援を差し向けつつ、敵の突出した部隊に激しい砲爆撃を加えて大損害を与えたものの敵の装甲部隊にエルグデナットへの隣接を許してしまった。しかし、第4戦車大隊をエルグデナットへ入れることには成功したので簡単には陥落しないであろう。

第15ターン

第22機甲旅団の第3戦車大隊と機械化偵察大隊はポイント181南西の敵第21装甲大隊を砲爆撃の支援を受けて攻撃、大損害を与える。

第16ターン

夜間のターンになったが、敵はポイント181の東方にイタリア第20軍団所属の機械化偵察大隊を隣接させてきて、ポイント181は補給線を絶たれてしまった。我が軍は余剰兵力がほとんどないため、一切の移動戦闘を控えることにした。

第17ターン

本来ならば、翌朝までにポイント181への補給線を再開し、防衛部隊の戦車大隊と機械化偵察大隊の戦力を維持するためにポイント181周辺の敵部隊へ夜間でも反撃しなければならないが、このターンを守り切れば勝利するため、あえて控えることにする。このターンには敵は動かず、シナリオは連合軍の完全なる優勢のうちに勝利となった。

シナリオ終了時の状況

シナリオ結果

シナリオ結果
陣営 合計得点 都市の得点 敵軍破壊得点 攻撃回数 成功率 制圧拠点数
連合軍 7,188 6,913 275 11 90% 4
枢軸軍 2,500 2,317 183 6 50% 1
両軍死傷者
陣営 歩兵 装甲 工兵 対戦車 砲兵 対空 航空
連合軍 1 9          
枢軸軍 8 11   <1   1  

感想と反省

シナリオ終了時では、拠点の多くを制圧してはいるものの、攻勢は限界点に達して反撃を受けており、完全なる優勢には見えない。

このまま戦闘が続行された場合、エルグデナット、ポイント180、118付近の敵を掃討して確保することはできるだろうが、ポイント181の救援は、派遣できる兵力がなくほとんど不可能である。補給切れで戦力ががた落ちになれば、第22 機甲旅団の精鋭2個大隊といえど守り切るのは不可能であろう。ビル・エル・グビへの侵攻は断念するしかない状態である。

プレイを振り返って反省すると初期段階での第22機甲旅団方面の攻勢は成功したのだが、イタリア軍に増援が来てからは、部隊数の少なさから苦戦を強いられた。もっと早期に多くの部隊(もちろんポイント118を確保出来る程度の戦力は残して)を第1南アフリカ師団からポイント180方面へ送っていれば、終盤、もう少し楽な展開になっていた気がする。経験から言えば第1南アフリカ師団は攻撃戦力としてはほとんど無意味なので拠点防御と戦線維持のみを行わせ、第22機甲旅団の主力の4個大隊を拠点や戦線維持に貼り付けずに自由に行動出来るような状態にもっていくことが、よりエレガントな部隊運用であると思う。

補給についても防御レベル以上の補給を第1南アフリカ師団に与えるのは補給物資の無駄遣いである。砲兵部隊を第22機甲旅団に所属替えして、第22機甲旅団にのみ攻撃レベルの補給を常に与えればよかったなと思っている。しかし、この総括は枢軸軍をプレイするときのドイツ軍とイタリア軍との関係そのもののような気がする。

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