ロンメル装甲師団1941

シナリオ5「トブルク解放」連合軍(1997年5月10日)

戦闘序列

連合軍部隊組織

 第8軍──第30軍団──第7機甲師団──第7機甲旅団

                              ──第22機甲旅団

                              ──第7支援集団

                 ──第1南アフリカ師団

                 ──第2南アフリカ師団

                   ─────────第4機甲旅団

                   ─────────第22機械化旅団

 

      ──第13軍団──第2ニュージーランド師団──第4ニュージーランド歩兵旅団

                                     ──第5ニュージーランド歩兵旅団

                                     ──第6ニュージーランド歩兵旅団

                 ──第4インド師団──第1機甲旅団

                               ──第5インド歩兵旅団

                              ──第7インド歩兵旅団

       ────────第70歩兵師団──カーパシアン

                              ──第22機甲旅団

     ────────────────────第11インド歩兵旅団

>枢軸軍部隊組織

 アフリカ装甲集団──アフリカ軍団──第15装甲師団──第8連隊

                                         ──第115連隊

                          ──第21装甲師団──第5連隊

                                        ──第104連隊

                          ──第90軽装甲師団──第115連隊

                                         ──第361連隊

            ──イタリア第20軍団──第101トリエステ師団

                            ──第132アリエテ師団──第8連隊

            ──イタリア第21軍団──第17パヴィア師団

                            ──第25ボローニア師団

                            ──第27ブレシア師団

                            ──第55サヴォナ師団

                            ──第102トレント師団

作戦構想

このシナリオは「クルーセイダー作戦」の中盤以降の戦いを再現するシナリオである。トブルクは連合軍によって解放され、アフリカ軍団はバルディアで第132アリエテ師団は国境地帯で補給切れになっている。連合軍は枢軸軍を撃滅するチャンスである。

具体的な作戦だが、まず国境地帯の第4インド師団と第11インド旅団は戦力を集中し、前面の敵を確実に撃破してハルファヤ峠・ソルーム・カプッツォ砦の占領を目指す。シナリオ3に比べると第2ニュージーランド師団がおらず、敵の主力であるアフリカ軍団がバルディア周辺にあるため、迂回作戦などの危険な作戦はとらない。枢軸軍は補給切れになっているはずなので退路をふさぐ小包囲以外に包囲をする理由もないのである。シディ・アゼイス付近の第5ニュージーランド旅団と第22機械化旅団は敵主力の目前に突出しており、きわめて危険な位置にある。ドイツ軍の装甲師団が攻撃をしてきて支えきれないと判断したならばシディ・アゼイスにこだわらずに撤退する必要があるだろう。

ガブル・サレーフ付近にある第7支援集団は、シディ・アゼイスへ急行させ防衛にあたらせる。ガブル・サレーフ南方にある第1南アフリカ師団はエル・クアスクを経由して西方へ移動させ、ポイント158やビル・ハケイム、シディ・ムフタフを狙わせる。シディ・レゼク付近にある第7機甲師団の2個旅団とエド・ドゥダ付近の第4ニュージーランド歩兵旅団それにトブルク市内より抽出した第70歩兵師団の歩兵6個大隊と第32機甲旅団は全力でトブルク東方の第25ボローニア師団と第90軽装甲師団を攻撃し、これを壊滅させる。その後は海岸道路を東へバルディアへ向けて前進させる。エド・ドゥダ付近の第6ニュージーランド歩兵旅団は、エル・アデム付近の枢軸軍の東進を阻止する。エル・グデナットの第4機甲旅団はビル・エル・グビ方面に圧力をかけ、枢軸軍の東進を阻止する。以上のような作戦である。しかし、これだけ長いシナリオだと予想外のことが多くおきるであろうし、臨機応変の対応が必要であろう。

11月28日

補給レベルは第1南アフリカ師団とカーパシアンのみ「標準」。残りは「攻撃」。

第1ターン

国境地帯ではハルファヤ峠とリビア・オマールに最も近い2ヶ所の要塞に的を絞って部隊を移動させた。シディ・アゼイスでは3個旅団が戦線をひいたが、枢軸軍は装甲師団を2個ともシディ・アゼイス方面に投入してきたようで苦しい防衛戦が予想される。トブルク東方の敵2個師団に対する攻撃部隊は集結を完了した。第1ターンから5ヶ所を空爆し、1ヶ所を砲撃支援付きで攻撃させかなりの損害を与えた。エド・ドゥダとエル・グデナット方面には2個師団近い戦力が前進してきた。連合軍は質では勝っているが、戦線が薄いのが不安である。

第2ターン

国境方面の戦闘では予定通りに攻撃を実施し、3ヶ所とも攻撃は成功した。ハルファヤ峠を早くも押さえたのは良いのだが、峠から前進するルートを枢軸軍の増援部隊が完全にふさいでしまった。幸いこのターンに増援として到着した第2南アフリカ師団はこんなに早く峠が落ちるとは思わなかったのでソファフィ経由で南方に向かわせていた。このため、この師団を使って峠前面の敵の後方を脅かすことも可能であろう。シディ・アゼイスの戦況は思わしくない。陥落は時間の問題かもしれない。しかし、トブルク周辺の連合軍がトブルク包囲網東方の2個師団の掃討を完了するまで時間を稼がねばならない。

トブルク東方の戦闘は連合軍が順調に枢軸軍を追いつめている。しかし、エド・ドゥダへ東から第101トリエステ師団が攻撃をかけてきた。やはり現有戦力では防衛線の維持は難しいようだ。

第3ターン

国境方面では第132アリエテ師団がリビア・オマール方面に反攻を実施してきた。第 4インド師団は攻撃のためにスタックしていて戦線を張っておらず、隊列に割り込まれて混戦状態に陥ってしまった。第2南アフリカ師団はようやくハルファヤ峠付近に達しつつある。シディ・アゼイスの戦況はいよいよ厳しくなってきた。枢軸軍は北・東・南の三方から攻勢を仕掛けてきている。シディ・アゼイスまであと2ヘクスと迫られてしまった。後方の補給線も危険になってきた。包囲されれば3個旅団をみすみす壊滅させられてしまうのでぎりぎりまで粘って撤退するのもやむをえないだろう。トブルク東方の戦況も包囲網が狭まって枢軸軍がハイスタックするようになってきたためなかなか攻め込めない。第101トリエステ師団がエド・ドゥダに取り付くより前に更に包囲網を縮めて部隊を抽出しなければならない。

第4ターン~第6ターン

夜間のターンになったこともあり、連合軍も動けないが枢軸軍の攻撃も停止したので一息つくことができた。トブルク東方の枢軸軍は下がる余地もないほど追いつめられているが、連合軍が劣勢なエド・ドゥダとシディ・アゼイス周辺では下がる余地がわずかだがある。エド・ドゥダ付近にはトブルク東方の包囲網を縮めて抽出した自動車化歩兵3個大隊を戦線後方に配置して、陣地構築を行わせる。シディ・アゼイスでもいよいよシディ・アゼイスとその周りのヘクスに全戦闘部隊を集結させて最終防衛ラインをひかせた。これであと1日は稼げるはずだ。

11月29日

補給レベルは、カーパシアンは「標準」。残りは「攻撃」

第7ターン

ついに第101トリエステ師団にエド・ドゥダに隣接されてしまった。しかし、連合軍も包囲網を縮めつつあるトブルク東部から余剰兵力を引き抜いて続々とこの戦区に投入しつつあり、遅くとも27日中には敵の攻勢を阻止できるであろう。しかし、当面エド・ドゥダが保持できるかどうかは微妙なところだ。シディ・アゼイスはついに枢軸軍に完全に包囲されてしまった。3個旅団という師団規模の部隊が壊滅の危機に瀕しているが、枢軸軍も補給線が切れた状態での攻勢が限界に達しつつあるようで補給状態は包囲された連合軍とたいして変わりはないようだ。

はるか南方を迂回している第1南アフリカ師団は補給線の確保に苦労しつつもビル・ハケイムとポイント158に近づきつつある。この師団は当初は戦略移動で突進したのだが、戦術移動をしなければ制圧地域が広げられず、補給線を確保できないことが判明し、いったん前進を中断して補給線の確保に努めていたのだ。いまさら言っても仕方のないことだが、この迂回作戦は大失敗だった。こんな南を苦労して迂回しなくても、この師団をビル・エル・グビに投入すれば今ごろはビル・ハケイム方面へ突破できていたであろう。ビル・エル・グビ前面の枢軸軍は弱体であるものの、連合軍の戦力も機甲1個旅団と不足を否めず、膠着状態にある。

国境地帯のハルファヤ峠付近も戦況は芳しくない。第2南アフリカ師団が到着したものの、枢軸軍の部隊が固く守って攻めあぐねている。ソマール方面へ敵を追撃しつつ2個大隊が前進しているのが唯一の進展である。リビア・オマール周辺では補給力の差が出て第4インド師団が優勢に戦いを進めているが、カプッツォ砦方面への進撃は当面できる状況にはない。

第8ターン

シディ・アゼイスでは、睨み合いが続いている。連合軍は補給線を何とか回復すべく、包囲網がもっとも薄い西側に砲爆撃を加え、1個大隊を派遣したところ、枢軸軍は損害を受けたためかそれとも別の意図があってか撤退し、退路と補給線を確保することができた。ハルファヤ峠にリビア・オマールでは、連合軍の優勢が明らかになり、カプッツォ砦方面への進撃が可能になりつつある。トブルク東方では連合軍はさらに攻勢を継続し、枢軸軍部隊は海岸から最も遠いところでも4ヘクスしかない断崖に挟まれた地区に追い込まれ、機動の余地もなくなりつつあるようだ。エド・ドゥダは第101トリエステ師団の攻撃を撃退し、当面の危機は去った。エル・グデナットやビル・エル・グビ付近では膠着状態が続いている。第 1南アフリカ師団は最南端の枢軸軍兵站部の奪取に成功した。

第9ターン

シディ・アゼイスの危機は去ったかに思えたが、ドイツ装甲師団は態勢を整えて再びシディ・アゼイスを再包囲してしまった。それのみならず、シディ・アゼイス北西の断崖の切れ目を陣地でふさいでいる司令部に対しても部隊を派遣してきた。もはや撤退すら難しい状況だが南方のリビア・オマール方面から第4インド師団が北上しつつあり、その救援に期待して包囲されても陣地にこもって防戦を続けることにする。ハルファヤ峠付近では第2南アフリカ師団と第11インド旅団の攻撃にもかかわらず、第55サヴォナ師団が戦線を維持している。トブルク東方では枢軸軍を海岸から3ヘクスにまで追いつめた。第1南アフリカ師団はビル・ハケイムとポイント158の両拠点と2つの枢軸軍兵站部を占領した。

第10ターン~第12ターン

連合軍は砲兵部隊を前線の移動に伴い少し移動させたのみで戦闘でつかれきった部隊の休養に努めた。枢軸軍にも目立った動きはなかった。

11月30日

補給レベルはカーバシアンは「標準」。第22機械化旅団は「防御」。残りは全て「攻撃」。

第13ターン

連合軍はトブルク東方の第90軽装甲師団と第25ボローニア師団に対して、攻勢を再開し決定的ともいえる勝利を得た。両師団の戦闘部隊はほとんど壊滅させ、残されたほとんどが司令部と砲兵のユニットを海岸から2ヘクスの距離と5ヘクスの広さしかない土地に押し込めた。枢軸軍の後方に回り込んだ第1南アフリカ師団はビル・ハケイムを無血制圧した。エド・ドゥダに対する攻撃も攻撃部隊に大きな被害を与え、撃退した。ここまでは順調だったが、シディ・アゼイス救援のため北上中の第4インド師団は途中に散在する枢軸軍の司令部や砲兵ユニットによって足止めを食いつつある。そしてシディ・アゼイス付近では脱出しようとした第22機械化旅団司令部がドイツ軍に捕捉され、全滅した。このシナリオを始めて以来、ダミーユニットを除いて始めてユニットを全滅させてしまった。シディ・アゼイスの南の第5ニュージーランド歩兵旅団が守る陣地に大規模な砲兵と空軍の支援を受けた攻撃があり、今回は持ちこたえたものの、次回は持ちこたえられそうにない。

第14ターン

トブルク東方の戦況はもはや掃討戦と言っても良い状況であり、枢軸軍は残り3スタックとなった。包囲と攻撃にあたっていた大量の部隊が浮いてきたのでこの戦力を転用する先を検討することにした。当初の計画では余剰戦力をバルディアに向ける予定であったが、枢軸軍はガンブット・海岸道路方面にほとんど戦力を投入してきておらず、シディ・アゼイスは敵主力をひきつけて善戦している。この状況で連合軍主力を同方面に投入しても遊兵化する危険もあり、効果も薄いと判断し、トブルク西方の枢軸軍戦線を突破して西からエル・アデムを急襲する作戦を発動することにした。この作戦を成功させれば、枢軸軍全軍を包囲せん滅できるかもしれない。

とりあえず8個大隊を突破予定地点へ移動させようとしたが、4個大隊しか攻撃地点へ集結させることができなかった。シディ・アゼイス救援のため北上中の第4インド師団はあと8ヘクスと迫ったが、砲兵や司令部などの足止め部隊に加えて、シディ・アゼイスの包囲網の部隊を外側から打ち破らねばならず、もはや30日中の救出は不可能である。包囲網内部の3個旅団ももはやぼろぼろで補給もなく、戦闘能力は3分の1から4分の1程度にまで落ちている。しかし、攻撃側もかなり戦闘力が落ちているようでこのぼろぼろの包囲された部隊に装甲2個師団の主力を投入していながら、攻めあぐねているようだ。

ハルファヤ峠付近では戦線が膠着状態に陥っており、唯一ソルームへ向けて進撃を続けていた部隊もソルームに隣接はしたものの、陣地と守備隊によって完全に阻止されてしまった。ビル・エル・グビの前面で進撃を停止していた第4機甲旅団は、前面の敵がエド・ドゥダ方面へ移動した隙を突いてビル・エル・グビを陥落させることに成功した。枢軸軍の後方を進撃している第1南アフリカ師団はシディ・ムフタフを占領してさらに北上を続けている。

第15ターン

いよいよトブルク西方の枢軸軍戦線突破作戦が開始された。しかし、とりあえず4個大隊しか攻撃に参加できなかったため守備する第102トレント師団の機関銃歩兵大隊を1ヘクス後退させるにとどまった。しかし、トブルク東方の枢軸軍は残り1スタックのみであり、これをせん滅するために2個大隊のみを残してさらに12個大隊を転用できる見込みとなり、砲兵と空軍の集中的な支援が受けられることも考えれば明日になれば確実に突破できるであろう。シディ・レゼク西側の防衛線に陣地が完成し、連合軍部隊は1ヘクス後退してその陣地に入った。これでもはやシディ・レゼクに対する脅威は去ったと見て良いであろう。

第1南アフリカ師団はガザラとシディムフタフの西方にある枢軸軍兵站部を占領した。制圧地域の関係で枢軸全軍の補給線を遮断するにはいたっていないが、朗報である。これで枢軸軍の兵站部はバルディアとガザラ西方のわずか二つのみとなった。シディ・アゼイス救援を試みている第4インド師団の先頭はシディ・アゼイスまであと3ヘクスに接近した。今夜さえ降伏せずに持ちこたえてくれれば明日には救出できるであろう。しかし、シディ・アゼイスにこもっている部隊の司令部は北西の断崖の切れ目の陣地で別に包囲されているこれを救出するのにはもっと時間が必要であろう。

第16ターン~第18ターン

夜間の間にもトブルク西方の突破予定地点には敵を疲労・混乱させるために断続的に砲撃を行い、耐えかねたのかイタリア軍は後退し、戦線には穴が空いた。翌朝を期して攻撃すべく戦車部隊が5割近くを占める2個師団を超える大量の部隊を前線と後方に集結させた。第1南アフリカ師団はガザラ西方の枢軸軍兵站部を占領し、全枢軸軍は補給切れに陥ったと推定される。ハルファヤ峠付近ではついに物資が尽きて、連合軍に降伏する部隊が出始めた。

12月1日

補給レベルは第8軍・第30軍団・第1南アフリカ師団・第2南アフリカ師団・第4機甲旅団・カーバシアンは「標準」。残りは「攻撃」

第19ターン

ほとんど全ての兵站部を占領し、全戦線で連合軍は完全に優位に立ちつつある。トブルク西方の陣地線にも穴を空けた今、トブルク西方にいる枢軸軍3個師団の撃滅とエル・アデムの占領。シディ・アゼイスを包囲しているドイツ装甲2個師団の撃破を目的に全戦線で攻勢を実施した。第4インド師団はついにシディ・アゼイスの友軍と手をつないだ。このターンの枢軸軍のシディ・アゼイスに対する攻撃はすべて失敗し、連合軍の攻勢はドイツ第21装甲師団の1個装甲大隊を壊滅させ、枢軸軍は大損害を受けた。トブルク西方の突破作戦も6ヘクス以上前進し、エル・アデムにあと4ヘクスに迫った。シディ・レゼク付近でも攻守は逆転し、連合軍は攻勢に転じている。トブルク東方の敵の最後の残存兵力はこのターンで全滅し、新たに戦車2個大隊が東部に転用できる見込みとなった。

第20ターン

第11インド旅団はソルームの占領に成功。シディ・アゼイス付近ではドイツ軍の2個装甲師団と第4インド師団の間の戦闘で混乱状態に陥っている。エル・アデムを目指す連合軍のトブルク西方の攻勢は先頭の戦車大隊が早くもエル・アデムに隣接するヘクスまで進出した。突破口を広げ、側面の枢軸軍を掃討する歩兵部隊も順調に任務を果たしている。第1南アフリカ師団はついに海岸まで制圧下に置き、枢軸軍の退路を遮断した。またその一部はエル・アデム方面に向かい、突破部隊と合流した。

第21ターン

第4インド師団はこのターンもカプッツォ砦の攻略に失敗した。やはり攻撃戦力が自動車化歩兵2個大隊では不足しているようだが、戦力が激減しているとはいえドイツ軍の2個装甲師団という大部隊を相手にしている現状では、これ以上の戦力は回せない。トブルク西方では連合軍は明日のエル・アデム攻略用にすべてが戦車あるいは機械化偵察からなる10個大隊を準備した。エル・アデム付近にある枢軸軍はイタリア軍の司令部と砲兵6ユニット程度であるようでもはや占領は確実であろう。

第22ターン~第24ターン

各戦線の兵力配分を見直す必要もなく連合軍はほとんど移動しなかった。枢軸軍は圧倒的な戦力差の連合軍に接している地点を中心に部隊を下がらせ、防衛線を再構築しようと試みているようだ。

12月2日

補給レベルは第8軍、第30軍団、第1南アフリカ師団、第2南アフリカ師団、第4機甲旅団、第11インド旅団、カーパシアンは「標準」。残りは「攻撃」。

第25ターン

トブルク西方で枢軸軍包囲線の突破を行った連合軍主力を、敵戦線の後方で展開させ、イタリア軍の3個師団に猛攻を加えさせた。最西端の第27ブレシア師団には第70歩兵師団と第1南アフリカ師団が、第101トリエステ師団と第102トレント師団には、第7機甲師団と第2ニュージーランド師団の大部分が攻撃を加えて圧倒的に優位な戦況である。第7機甲師団はエル・アデムを占領し、2個師団の司令部と砲兵部隊を蹂躪し、完全に包囲下に置いた。シディ・アゼイス付近では、トブルク周辺ほど戦力差が圧倒的でないのでゆっくりとではあるが、第4インド師団がシディ・アゼイスを包囲していた枢軸軍2個装甲師団の撃破に成功しつつある。

第26ターン

シディ・アゼイス付近の戦闘で連合軍はさらにドイツ軍の2個装甲大隊を壊滅させた。これでドイツ軍のほぼ全ての装甲戦力を撃破し、西方への補給線のみならずバルディアとの連絡もほぼ遮断に成功した。ドイツ装甲師団を断崖に押し付け、壊滅させるのは時間の問題になってきた。第4インド師団はカプッツォ砦もついに陥落させ、ハルファヤ峠前面でいまだにがんばっている第55サヴォナ師団と第132アリエテ師団のバルディアへの退路を脅かすことができるようになってきた。エル・アデムを落とした連合軍機甲部隊はさらに東進し、シディ・レゼクの西側の枢軸軍戦線の背後を攻め、シディ・レゼク前面を守っている第6ニュージーランド旅団と挟み撃ちにしつつある。

第27ターン

最後の昼間である。各方面とも枢軸軍を追いつめつつあるが、劇的な戦況の変化はなかった。

第28ターン~第29ターン

各方面とも戦いはすでに機動戦ではなく、包囲せん滅戦といえる状況であり、連合軍に機動の余地や兵力移動の必要はなく、また枢軸軍も補給もなく包囲され、動ける状態にはない。両軍ともにほとんど動かなかった。

シナリオ終了時のバルディア周辺

シナリオ終了時のバルディア周辺戦況図

シナリオ終了時のトブルク周辺

シナリオ終了時のトブルク周辺戦況図

シナリオ結果

シナリオ結果
陣営 合計得点 都市の得点 敵軍破壊得点 攻撃回数 成功率 制圧拠点数
連合軍 33,045 27,117 5,928 121 90% 21
枢軸軍 9,032 8,188 844 25 36% 1
両軍死傷者
陣営 歩兵 装甲 工兵 対戦車 砲兵 対空 航空
連合軍 55 39   2 1 <1  
枢軸軍 239 42 40 5 46 32  

感想と反省

もともと連合軍有利な状況から始まるシナリオなので「完全に優勢」という判定自体はコンピューターを相手にしたことを考えれば、当たり前である。しかし、バルディア以外の全重要拠点と枢軸軍兵站部を占領し、全枢軸軍を壊滅寸前にしたことは満足すべきだった。この結果に加えてバルディアも占領するというのはいかにコンピューター相手でも不可能であろう。

大勝利の背景としては、まず第一にドイツ軍の2個装甲師団をほとんど働かせなかったことがあげられるだろう。この2個師団をひきつけて、包囲されつつもシディ・レゼクを保持した部隊の功績は大なるものがある。ドイツ装甲師団がシディ・レゼクを抜いてガンブット・シディ・アゼイス方面に進撃してきていたら、連合軍としては主力をトブルク西方突破作戦に回せず、これに対抗せざるを得なかったであろう。

第二の要因としては、当初の作戦としてトブルク西方の枢軸軍2個師団を全力で撃滅する作戦を取ったことである。中盤までにこのドイツ第90軽装甲師団と第25ボローニア師団を文字どおり全滅させたことによって連合軍は大量の予備戦力を持ち、その戦力を突破作戦に使うことができた。この作戦はエレガントな用兵でも何でもない直接的なただの力押しの作戦である。しかし、それゆえに枢軸軍には直接の対抗策は何もない。もともこの2個師団はきわめて弱体というわけではなく、むしろ第90軽装甲師団はかなり強力である。しかし、当初から海を背後にした狭い地域に包囲されており、シナリオ開始時から機甲部隊を遊ばせることなく、すぐに戦闘に投入でき、トブルク守備隊の戦力も転用すれば壊滅は可能である。もし、作戦途中でほかの戦線の状況により、戦力を引き抜く必要が出たときも対応しやすい。

枢軸軍のこの作戦に対する対抗策は、ほかの戦線で圧力をかけることによって連合軍がこの攻撃に全力を投入できないようにすることぐらいである。しかし、枢軸軍がトブルクの陣地線を突破するのは、たとえ連合軍が兵力をある程度引き抜いていても、注意深い兵力配置が行われていればほぼ不可能であり、DAK(ドイツ・アフリカ軍団)がシディ・アゼイスあるいはガンブットを抜いても連合軍の妨害を排除してトブルク周辺に達するには、かなりの時間が必要である。このため、連合軍としては唯一警戒しなければならないのは、第101トリエステ師団がシディ・レゼクあるいはエル・グデナットに圧力を加えてくることである。しかし、その作戦も今回のプレイでは野心的にはるか南方から迂回させ、ガザラ方面を狙わせた第1南アフリカ師団を北上させて守りを固めさせれば難しくなる。

今回のプレイの反省点としては、第1・第2南アフリカ師団の使い方があげられる。第 1南アフリカ師団ははるか南から迂回させ、ビル・ハケイム、シディ・ムフタフ、ガザラを狙わせたのだが、移動距離が長すぎ、時間がかかりすぎてこの師団を遊兵化させてしまった。このシナリオではシナリオ1・4とは異なり、ビル・エル・グビ付近に第132アリエテ師団はいないのだから、第4機甲旅団と共同で早期にビル・エル・グビを攻略すれば、ビル・ハケイム方面へ早期に進出でき、第101トリエステ師団のシディ・レゼクに対する圧力を軽減できたかも知れない。第2南アフリカ師団は、一言で言えば、このシナリオの間、ハルファヤ峠の前で第55サヴォナ師団と第132アリエテ師団の残存部隊とにらみ合っていただけである。何度か攻撃してはみたが、弱兵すぎてスタックしている枢軸軍を撃破できなかった。別にこの部隊がいなくてもハルファヤ峠は第11インド旅団が守れたであろうし、枢軸軍兵力をひきつける役目も果たしてくれただろう。そんなところで遊ばせておくよりもリビア・オマール経由で第4インド師団の北上の支援でもさせるべきであった。

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