ロンメル装甲師団1941
連合軍部隊組織
第8軍──第30軍団──第7機甲師団──第7機甲旅団
──第22機甲旅団
──第7支援集団
──第1南アフリカ師団
──第2南アフリカ師団
─────────第4機甲旅団
─────────第22機械化旅団
──第13軍団──第2ニュージーランド師団──第4ニュージーランド歩兵旅団
──第5ニュージーランド歩兵旅団
──第6ニュージーランド歩兵旅団
──第4インド師団──第1機甲旅団
──第5インド歩兵旅団
──第7インド歩兵旅団
────────第70歩兵師団──カーパシアン
──第22機甲旅団
────────────────────第11インド歩兵旅団
────────────────────第29インド歩兵旅団
>枢軸軍部隊組織
アフリカ装甲集団──アフリカ軍団──第15装甲師団──第8連隊
──第115連隊
──第21装甲師団──第5連隊
──第104連隊
──第90軽装甲師団──第115連隊
──第361連隊
──イタリア第20軍団──第101トリエステ師団
──第132アリエテ師団──第8連隊
──イタリア第21軍団──第17パヴィア師団
──第25ボローニア師団
──第27ブレシア師団
──第55サヴォナ師団
──第102トレント師団
このシナリオは「クルーセイダー作戦」全てを再現するシナリオである。連合軍はトブルクを解放し、アフリカ軍団を撃滅しなければならない。トブルク付近はシナリオ2、国境付近はシナリオ3、砂漠中央部はシナリオ4とほぼ同じ状況である。これらのシナリオと異なるのは期間が長いことと連合軍、枢軸軍ともに各戦線への兵力配分も含めて選択肢が多く、自由度が高いということだ。
さて連合軍の作戦方針としては第1にトブルクの解放を目標とする。なぜならシナリオ 5のスタート時点のような形勢に持ち込むということは、枢軸軍の主力となるドイツ装甲師団の補給線を断ち、戦力を低下させることができるということを意味するからだ。十分な補給を受けた強力な部隊と正面から戦闘しては甚大な被害を受けてしまうであろう。さてトブルクの包囲網をどこで破るかだが、シナリオ5 で達成されているようなシディ・レゼクからエド・ドゥダの線でトブルクの部隊と連合軍主力が手をつなぐことは考えない。ビル・エル・グビ、エル・アデムを経由してトブルク西方の包囲網を破るのである。この計画の利点はシディ・レゼク経由で枢軸軍防衛線を突破することに比べてドイツ装甲師団とまともにぶつかりにくいということと、作戦が成功した際には、第27ブレシア師団を除く、全枢軸軍の補給線を断てることである。欠点としては目標を達成するまでに第 132アリエテ師団、第101トリエステ師団、イタリア第20軍団直属の部隊などとまともにぶつかり撃破しなければならないことである。
具体的な作戦だが、まず国境地帯の第4インド師団と第11インド旅団は戦力を集中し、前面の敵を確実に撃破してハルファヤ峠・ソルーム・カプッツォ砦の占領を目指す。第2ニュージーランド師団は国境要塞にはかまわずリビア・オマールの西方から枢軸軍戦線の後方に回り込み、第55サヴォナ師団の補給線を断つ。この際、カプッツォ砦とソマールは占領する必要があるが、枢軸軍装甲師団が南下してきた場合にはシディ・アゼイスにはこだわらない。カプッツォ砦とソマールを結ぶ線で守りながら、第55サヴォナ師団を壊滅させるのである。バルディアへも第55サヴォナ師団を壊滅させてからしか攻めかからない。このような長期戦では部隊を壊滅させてしまえばとり返しがつかない。重要拠点などは敵兵力を撃滅すれば自ずと手に入るのである。枢軸軍装甲師団が国境方面に向かってこなかった場合は第2ニュージーランド師団は国境要塞群を完全に占拠したら、ただちに砂漠中央部方面に転用する。
砂漠中央部の連合軍兵力は第7機甲師団と第1南アフリカ師団が中心であるが、まず第 1南アフリカ師団は急速に北上させ、ビル・エル・グビ南側から西側にかけて戦線を張る。そして第7機甲師団は1個旅団程度をシディ・アゼイスもしくはその南方に派遣して、枢軸軍の南下を断崖を利用して防ぎつつ、主力は北からビル・エル・グビを攻撃させる。ビル・エル・グビの北側を突破して南に旋回し、第 132アリエテ師団を断崖と第1南アフリカ師団との間ではさみこんでせん滅するのだ。この部隊も第132アリエテ師団が壊滅するまでは西進させない。いずれ第101トリエステ師団が西進してくるであろうから少数の部隊での突出は危険であるからだ。第132アリエテ師団を壊滅させた後にこの2個師団は西進させ、ビル・ハケイム経由で北上し、トブルク包囲網を破らせる。第4機甲旅団は、ガンブットを目標に北上させる。敵装甲師団に遭遇した場合は、足止めをして時間を稼ぎ、遭遇しなかった場合はガンブットを攻略してトブルク~バルディアの連絡を遮断する。
トブルクにこもっている第70歩兵師団は国境地帯や砂漠中央部の戦況に注意しながら、トブルク西方の陣地を放棄して前進してくるイタリア軍を中心に敵ユニットをひとつひとつ確実につぶして、来るべき突破戦に備えつつできれば、第101 トリエステ師団をトブルクにひきつける。第70歩兵師団が包囲網を破りそうになればこの師団を投入せざるを得ないであろうし、この師団がビル・エル・グビ方面に向かわなければ砂漠中央部の戦況は楽になるからだ。
第29インド旅団は補給線の維持に注意しつつ、はるか南方からポイント158を占領した後、ビル・ハケイムを狙わせる予定である。
補給レベルはカーパシアン・第70歩兵師団は「防御」。第13軍団、第4インド師団、第22機械化旅団、第4・第1・第7・第22機甲旅団、第7支援集団、第5・第7・第11インド旅団「攻撃」。残りは「標準」。
国境地帯では、第4インド師団は、リビア・オマールを包囲し、第11インド旅団はハルファヤ峠前面に布陣した。もっとも大きな戦果はリビア・オマール西方を迂回して危険を承知で突進した第2ニュージーランド師団がカプッツォ砦とソマールを占領したことであった。これによってハルファヤ峠も含めた全国境要塞は1ターン目にして補給線を断たれたことになる。しかし、枢軸軍は1個装甲師団をシディ・アゼイス方面に南下させてきたようで第2ニュージーランド師団はこの師団の南下を阻止しつつ、国境要塞の掃討を支援しなければならない。
第2ニュージーランド師団は第55サヴォナ師団の補給線遮断に成功
砂漠中央部では第7機甲師団の第7支援集団がシディ・レゼクを制圧した。しかし、前面には装甲部隊を含めたかなりの戦力の集結が確認されており、苦しい防衛戦になるであろう。エル・グデナット付近から発進してビル・エル・グビを目指して進撃した第7機甲師団の主力は第17パヴィア師団の部隊と遭遇した。これは予想外の出来事であった。シナリオ4では、この師団はシディ・レゼク方面に投入されてきたのだ。しかし、2個師団が相手であろうといまさら当初の構想を放棄するわけにはいかない。シディ・レゼクやトブルク方面の戦闘がそれだけ楽になるのだと考えることにした。第1南アフリカ師団は全速で北上したが、第132アリエテ師団はこれもシナリオ4とは異なり、かなりの部隊を南下させてきた。第1南アフリカ師団に第132アリエテ師団とまともに殴り合う戦闘力はない。場合によっては後退して南方に敵をひきつけるのも必要になるだろう。第4機甲旅団は、ガンブットへ向けて進撃したが、途中で第15装甲師団と遭遇してしまった。
トブルク内部では西方の第27ブレシア師団の戦線を狙って突破作戦を実施すべく、攻撃部隊の集結がはじめられた。陣地を維持するぎりぎりの部隊以外はすべて投入する予定であり、戦車3個大隊を含む12個大隊以上の戦力が投入できる見込みである。
国境地帯では第4インド師団がリビア・オマールへの攻撃を開始した。ハルファヤ峠は第11インド旅団による東方からの攻撃だけでは落とせそうになかったので攻撃は控え、ソマール方面から前進してきた第2ニュージーランド師団と共同で総攻撃を行うことにした。しかし、シディ・アゼイスからカプッツォ砦めがけてドイツ第21装甲師団が早くも前進してきた。第2ニュージーランド師団は、主力でこの攻撃に対処せねばならず、ハルファヤ峠方面にはあまり多くの戦力を割けそうにない。ドイツ軍装甲部隊を迎撃すべく、第13軍団直属の対戦車部隊を急速に北上させたが、6個中隊のうち2個中隊が伏兵により損害を受けてしまった。しかし、アフリカ軍団所属の一部部隊の第55サヴォナ師団の補給線を回復しようと戦略移動してきた部隊は第2ニュージーランド師団の伏兵によって大きな損害を与えた。
砂漠中央部では第22機械化旅団がエル・グデナット付近に到着し、以前よりは厚みのある戦線を張れるようになった。しかし、肝心の第7機甲師団主力はたちはだかった第132アリエテ師団の主力によって逆に反撃を受けている。第1南アフリカ師団も前面の敵を撃破できそうにない。第4機甲旅団は圧倒的なユニット数の差によってガンブット南の砂漠で第15装甲師団に包囲されてしまった。
第15装甲師団に包囲されつつある第4機甲旅団
トブルクの第70歩兵師団は突破作戦に必要な兵力の集結をほぼ完了した。枢軸軍はうかつにも陣地を捨てて前進してきたのでさらに突破が成功する見込みは高くなった。西方の第27ブレシア師団を壊滅させ、ガザラ方面に突破して枢軸軍の補給源を脅かすのだ。
国境地帯の第4インド師団は、リビア・オマールを陥落させ、戦車部隊の追撃などで周辺の枢軸軍を一掃した。補給線を断った第55サヴォナ師団をハルファヤ峠周辺に追いつめた。第2ニュージーランド師団はドイツ第21装甲師団の猛攻を受けつつある。何とか陣地を構築してカプッツォ砦を守らねばならない。もっともトブルクを解放し、補給を遮断するまではドイツ装甲師団をまともに相手にせず、カプッツォ砦で時間を稼ぐ間に第55サヴォナ師団を壊滅させるという作戦をとることにしたため、遅滞戦術を実施している。ハルファヤ峠に対する総攻撃は一定の成功を収めたものの、占領には失敗した。しかし、もはや陥落は目前である。明日には確実に落とせるであろう。
砂漠中央部の戦闘は第7機甲師団が第132アリエテ師団と第17パヴィア師団、第90軽装甲師団の3個師団を相手にして苦戦を続けている。ユニット数の差がありすぎて包囲される危険があるため戦車部隊の突進ができないでいる。シディ・レゼクに対する第90軽装甲師団の攻撃を撃退し、エル・グデナット西方で2個師団の部隊と戦闘しているがあまり戦況は良くない。第1南アフリカ師団も弱兵すぎて有効に働けていない。ガンブット南方の第4機甲旅団はドイツ第15装甲師団に包囲攻撃されている。しかし、ここで後2日足止めできれば、枢軸軍の補給源を断つ作戦を成功させるだけの時間が得られる。幸い、地形は対戦車力が2倍になる岩場であり、防御側に有利ではある。
枢軸軍の大部隊に押され気味の第7機甲師団
トブルクでは突破部隊の配置が完了した。歩兵10個大隊、戦車3個大隊の戦力を集中できた。
夜間のターンになったが、枢軸軍は包囲下の第4機甲旅団司令部を夜間攻撃で壊滅させてしまった。国境地帯も夜間戦略移動で両軍入り交じった混戦模様になっている。枢軸軍はエル・グデナット東方にさらに第101トリエステ師団を投入してきたようで第7機甲師団は包囲されないように後退するので精一杯である。
補給レベルは、第30軍団・第1南アフリカ師団・カーパシアンは「標準」。残りは「攻撃」
国境地帯では第2ニュージーランド師団の半数と第4インド師団および第11インド旅団の全力、第8軍直属の部隊が第55サヴォナ師団をなんとしても今日中に壊滅させるべく、猛攻をかけた。しかし、再起不能といえるほどの打撃を与えることはできなかった。カプッツォ砦に対する第21装甲師団の圧力は強まるばかりである。
国境付近の戦闘
砂漠中央部でも第4機甲旅団の生き残りが第15装甲師団に撃破されてしまい、ほとんど戦闘力を失ってしまった。第7機甲師団は突出して包囲された部隊の救出に成功し、エル・グデナット東方はもうしばらく時間を稼げるであろう。この苦境にあっては第1南アフリカ師団を遊ばせておくわけには行かず、陣地を捨てて前進して南からビル・エル・グビに圧力をかけさせた。
トブルクの包囲網突破作戦がついに開始された。3ヶ所で攻撃を行い、第27ブレシア師団を後退させた。枢軸軍にはこの戦線には予備部隊がいないようで戦線が広がれば守り切れなくなるであろう。
国境地帯の戦闘は第55サヴォナ師団が司令部・全砲兵を失い、残りは本来の数分の1に戦力が低下した7個大隊を残すのみとなった。ドイツ第21装甲師団も連戦の疲労が溜まってきたのか攻勢が鈍ってきている。
砂漠中央部の第4機甲旅団は2個戦車大隊が全滅し、残るは機械化偵察と戦車各1個大隊のみになった。もはやこれ以上の戦闘は無意味であろう。シディ・レゼク~エルグデナットにかけての戦況は連合軍が何とか体勢を立て直し、戦線を保持している。しかし、第4機甲旅団を撃破したドイツ第15装甲師団に後方から襲い掛かられたらひとたまりもない。その場合はガブル・サレーフ方面まで撤退して戦線を縮少せねばならないだろう。
トブルク西方では連合軍は突破口の形成に成功した。西へ突破し、ポイント158を占領してビル・ハケイムへ接近しつつある第29インド旅団と明日には手をつなげるであろう。
西方の枢軸軍補給源を目指して突破する第70歩兵師団
国境地帯では第2ニュージーランド師団と第4インド師団、第11インド旅団はイタリア第55サヴォナ師団をさらに攻撃し、4個大隊を全滅させた。明日には、ドイツ第21装甲師団に2個師団の全力を向けられるであろう。ビル・エル・グビ方面でも第7機甲師団が機動防御を行い、持ちこたえている。ドイツ第15装甲師団は第4機甲旅団の残存部隊を包囲してきた。もはや第4機甲旅団の全滅は免れないだろうが、夜間に戦闘は行えないので明日(11月21日)の昼間まで第15装甲師団が第7機甲師団の背後から襲いかかられずにすむかもしれない。それまでに第29インド旅団とトブルクの突出部隊が手を握れば、枢軸軍のほぼ全軍を補給切れにできる。
迂回してポイント158を占領後、ビル・ハケイムへ向けて北上を続けていた第29インド旅団は無防備のビル・ハケイムを占領し、兵站部を略奪した。トブルク西方でも枢軸軍のトブルク包囲線に大穴を空ける事に成功した。
連合軍は砲兵部隊を前線の移動に伴い少し移動させた。また翌朝に疲れを残さぬ程度に部隊の再配置を実施した。
補給レベルは第30軍団、第1南アフリカ師団、カーバシアンは「標準」。残りは全て「攻撃」。
開戦後3日目を迎えているが、21日はターニングポイントとして記憶される日になるかもしれない。
シディ・アゼイスからカプッツォ砦へ向けて侵攻しつつあったドイツ第21装甲師団に対し、ハルファヤ峠方面で第55サヴォナ師団を壊滅させた第13軍団主力の大量の部隊を戦線に投入し、連合軍は優勢に立ちつつある。ガンブット南方では第 4機甲旅団の生き残りが包囲下でまだ持ちこたえている。ビル・エル・グビ付近では両軍互角の形勢だが、突出してきた第132アリエテ師団の一部を第1南アフリカ師団が包囲する事に成功した。シディ・レゼクに対する第90軽装甲師団の攻撃を第7機甲師団の第7支援集団は撃退しつづけている。
トブルクの西方では第29インド旅団がシディ・ムフタフを占領。トブルクから突破してきた部隊と手を握る事に成功した。これで枢軸軍の補給線は遮断される事になった。トブルクから出撃した部隊は主力をトブルク包囲線の攻撃に向ける一方で一部はガザラへ向けて進撃しつつある。
イギリス第13軍団はドイツ第21装甲師団に対して本格的な攻撃を開始した。4ヶ所の攻撃は十分な支援と戦力の集中が行われた事もあり、すべて成功した。またハルファヤ峠付近に残っていた第55サヴォナ師団の残存ユニットをすべて全滅させ、連合軍は後顧の憂いなく全戦力を前線に投入できるようになった。
砂漠中央部では第4機甲旅団がついに全滅し、第15装甲師団に行動の自由を与える事になってしまった。また。シディ・レゼクとエル・グデナットの間の交通線にも東西からイタリア軍とドイツ軍が接近して遮断寸前になった。しかし、第7機甲師団はビル・エル・グビへ向けて攻撃を行い、前進しつづけている。
トブルク西方では第27ブレシア師団に第70歩兵師団が攻撃をかけて海岸地帯に追いつめつつある。
連合軍によって大穴の空いた枢軸軍のトブルク包囲線
国境地帯では連合軍と枢軸軍の戦力バランスは決定的に連合軍有利となりつつある。第 13軍団の攻勢によってドイツ第21装甲師団の戦線を寸断しつつあり、このまま戦闘を継続すれば明日には壊滅的打撃を与えて包囲する事も可能であろう。ビル・エル・グビ~エル・グデナット付近ではいまだに混戦状態が続いているが、補給線を遮断した事により、枢軸軍の戦力は低下すると推定される。唯一の気がかりは第4機甲旅団を全滅させたドイツ第15装甲師団が砂漠中央部方面に向かってきて第7機甲師団をはさみうちにするのか、国境方面に向かって苦境にある第21装甲師団を救いにくるのか不明であるという点である。
トブルクの西方では第29インド旅団がガザラの占領には失敗したものの、西方の兵站部2つを更に制圧して大量の物資を奪い、枢軸軍の補給を回復不可能にした。
両軍ともに前日の激戦の疲労の回復に努め、大きな動きはなかった。
補給レベルは第30軍団、第1南アフリカ師団、カーバシアンは「標準」。残りは全て「攻撃」。
第13軍団はシディ・アゼイスとドイツ第21装甲師団の主力を包囲下に置く事に成功した。シディ・レゼク~エル・グデナット間に進入したイタリア軍も第7機甲師団が排除しつつある。枢軸軍は補給不足に加えてこれまでの戦闘で多くのユニットが壊滅しており、ユニット数が少なくなってきているようだ。第29インド旅団はガザラの占領に成功した。第27ブレシア師団も第70歩兵師団の攻撃によって虫の息であり、エル・アデム・ビル・エル・グビ方面へ西からの攻勢に出る機は熟しつつある。
シディ・アゼイスに包囲されたドイツ第21装甲師団は、一部をシディ・アゼイスにこもらせつつ、手薄な北側の包囲網の隙間から主力を脱出させた。ドイツ装甲師団を包囲撃滅することはできなかったものの、第13軍団は攻撃を続け、シディ・アゼイスまで2ヘクスと迫った。シディ・アゼイス北西にあるガンブット方面との連絡路の断崖の切れ目を制圧すべく第2ニュージーランド師団の一部を派遣したが、第15装甲師団と思われる部隊によって前進を止められてしまった。枢軸軍はどうやら国境方面の第21装甲師団救援のために第15装甲師団を差し向けてきたようだ。正直言ってエル・グデナット方面に派遣されて第 7機甲師団が第132アリエテ師団や第101トリエステ師団と挟み撃ちにされるよりははるかに助かる。
ビル・エル・グビ付近の戦況は南部では第1南アフリカ師団が押されて戦線が崩れつつあるが、北部では第7機甲師団の活躍により枢軸軍を押し込んでいる。トブルク付近では第27ブレシア師団がわずか3個大隊以外は全滅し、包囲線の3分の1ほどは連合軍が制圧している。明日かあさってにはエル・アデムやビル・エル・グビに向けて西から攻撃をかけられるであろう。
シディ・アゼイス攻略に第13軍団の主力を投入しているすきに第15・21装甲師団が戦力を結集してシディ・アゼイス方面へ攻勢をかけてきた。しかし、この攻撃には遅滞行動のみで対処し、シディ・アゼイスを陥落させた後に戦力を両装甲師団に向けるつもりである。シディ・アゼイスには塹壕が作られ、かなり厳重に守られている。明日1日は攻略に必要であろう。
第13軍団とアフリカ軍団の戦闘
トブルク西方では第27ブレシア師団を全滅させ、エル・アデム方面に明日は攻勢をかけるつもりである。
枢軸軍は夜陰に乗じてシディ・アゼイスから戦力を脱出させた。シディ・アゼイスには軽対空自走砲1個大隊を残したのみである。連合軍に囲まれて戦っては全滅しかなく、損失が大きすぎると考えたのかもしれない。シディ・アゼイスは早期に陥落させられるだろうが、ドイツ軍の戦力を温存させることになってしまった。
補給レベルは第30軍団、第1南アフリカ師団、カーバシアンは「標準」。残りは全て「攻撃」。
第13軍団はシディ・アゼイスの攻略に成功した。しかし、その西方ではドイツ軍の2個装甲師団が第2ニュージーランド師団の自動車化歩兵大隊を全滅させ、シディ・アゼイスに接近しつつある。余談だがこれまでに全滅した連合軍は、第4機甲旅団所属の部隊以外はダミーと自動車化対戦車中隊のみであり、これが連合軍にとって初めての歩兵の大隊ユニットの損失であった。
第7機甲師団は、第1南アフリカ師団が南部の戦線を維持している間にビル・エル・グビを攻略しようと攻勢を再開し、イタリア軍4ユニットを壊滅させた。また2個戦車大隊をシディ・レゼク方面に派遣して第17パヴィア師団の1個連隊(歩兵3個大隊)を壊滅させるなど枢軸軍に大打撃を与えた。
シディ・アゼイスの西では第13軍団とドイツ・アフリカ軍団との決戦が行われようとしている。第7機甲師団はビル・エル・グビまで3ヘクスの地点まで進出した。現状では前面の敵に対して第7機甲師団の主力はかなり優勢であり、ビル・エル・グビを落とすのも時間の問題であろう。第70歩兵師団もエル・アデムまで2ヘクスと迫った。
第13軍団は補給状態と圧倒的な量の砲兵支援、それに補充の量などでアフリカ軍団に対して優位に立っている。第7機甲師団はビル・エル・グビ前面の枢軸軍を文字どおり一掃してしまい、砂漠中央部でも連合軍の優勢は決定的となった。
第30軍団はイタリア第20軍団を撃破しつつ、ビル・エル・グビに近づいている。ビル・エル・グビ南方で第101トリエステ師団の一部が第1南アフリカ師団に夜間攻撃をかけてきた。弱体化していた歩兵1個大隊が2割以上の損害を受けたが、それ以外は特に動きはなかった。
補給レベルは第30軍団、第1南アフリカ師団、カーバシアンは「標準」。残りは「攻撃」
ビル・エル・グビの南方で夜間攻撃を受けて弱体化していた第1南アフリカ師団の歩兵大隊が壊滅させられてしまった。しかし、第7機甲師団はビル・エル・グビに隣接する事に成功し、枢軸軍戦線の西への突破は成功しつつある。第70歩兵師団もエル・アデム北方のトブルク包囲線の部隊を断崖に圧迫しつつ、南方では機甲部隊がエル・アデムに隣接した。
第13軍団はドイツ・アフリカ軍団をせん滅すべく、薄いアフリカ軍団の戦線の隙間から浸透してアフリカ軍団の残存部隊を包囲しつつある。
第7機甲師団はビル・エル・グビを、第70歩兵師団はエル・アデムをそれぞれ攻略した。これで残る枢軸軍拠点はエド・ドゥダとガンブット、それにバルディアの3つのみとなった。また第29インド旅団はビル・エル・グビの西方から東へ前進して第7機甲師団と手を結んだ。ビル・エル・グビの南で第1南アフリカ師団はさらに1個自動車化歩兵大隊と対戦車砲中隊を失った。第1南アフリカ師団は開戦以来の戦闘で砲兵部隊以外の戦力の約半数を失った。特に第5 連隊は全滅してしまった。しかし、前面の敵第132アリエテ師団と第101トリエステ師団は補給線を完全に遮断されており、戦闘部隊の3分の2が壊滅していると推定され、ビル・エル・グビを攻略した第7機甲師団と増援の第29インド旅団の攻撃によって早期に壊滅できるであろう。
連合軍の大攻勢は続行され、トブルク方面ではエル・アデムとトブルク間の最短ルートの幹線道路を完全に制圧した。これによって第70歩兵師団は補給線を短くする事ができた。エル・アデム北東の断崖では第102トレント師団と第90軽装甲師団の10ユニットあまりを断崖に押し付けて完全に包囲した。ビル・エル・グビ周辺は完全に連合軍が制圧し、第132アリエテ師団と第101トリエステ師団のわずかな残存戦闘部隊と砲兵部隊・司令部などが断崖に押し付けられ、第7機甲師団と第29インド旅団が猛攻を加えている。シディ・レゼクでも第22機械化旅団が第7機甲師団の一部の支援を与えられ、第17パヴィア師団を撃破しつつ西進しようとしている。
シディ・レゼクの危機も去りつつある。
第13軍団はアフリカ軍団に大損害を与えた。もうアフリカ軍団には数個大隊の戦力しか残されておらず、明日中には壊滅させる事ができるであろう。このターンだけで連合軍は10ユニットもの枢軸軍ユニットを破壊した。
連合軍はトブルク東方の陣地守備隊と後方の拠点防衛隊を除いてほぼ全戦力で攻撃を行っている。このためかなりの疲労が蓄積しており、夜間は休養に努めた。枢軸軍も補給不足と疲労によって夜間移動を行う余裕はあまりないようで連合軍の前線に接触していた司令部・砲兵などを一部後方に下げたのみであった。
夜明けとともに連合軍は攻勢を再開した。ビル・エル・グビ付近では孤立した第101トリエステ師団と第132アリエテ師団に対する掃討戦が続行されており、第29インド旅団はトリエステ師団の砲兵部隊を襲撃している。トブルクの旧包囲線も3分の2が掃討され、戦場はゆっくりとエド・ドゥダに近づきつつある。第13軍団はドイツ・アフリカ軍団の戦闘部隊のほとんどを壊滅させ、第2ニュージーランド師団はガンブット方面へ急速に突進し、第4インド師団と第11インド旅団は、バルディア攻略のため東へ反転した。
このターンの移動によって第2ニュージーランド師団の先鋒の機械化偵察大隊はガンブットに隣接する事に成功した。またアフリカ軍団の残存部隊を自動車化歩兵6個大隊でガンブット南西で包囲する事に成功した。また第4インド師団と第11インド旅団はバルディア前面に到着しつつある。
アフリカ軍団を追撃する第2ニュージーランド師団
第4インド師団はバルディア西方へ部隊を派遣してバルディアを包囲しつつ、南部の外郭陣地に攻撃を行った。攻撃は成功したものの陣地を占領する事はできなかった。第2ニュージーランド師団はガンブットを攻略し、周辺のDAKの残存ユニットを掃討した。
ガンブットを占領した第2ニュージーランド師団は海岸道路を西進するべく部隊を再集結させた。第7機甲師団はシディ・レゼク方面に移動し、頑強に抵抗しているシディ・レゼク周辺の枢軸軍を撃破する任務につかせるため移動させた。第1南アフリカ師団はエル・アデム方面に掃討作戦のために移動した。
補給レベルは第4インド師団、第7機甲師団、第70歩兵師団、第22機械化旅団、第7支援集団、第1・7・22・32機甲旅団は「攻撃」。残りは「標準」
第4インド師団はバルディア南方の陣地の攻略に成功。第2ニュージーランド師団はガンブットから海岸道路を西進してエド・ドゥダ方面で抵抗を続ける枢軸軍の背後を突こうとしている。エル・アデムから東進している第70歩兵師団の部隊はシディ・レゼク付近の第7機甲師団と手を握り、枢軸軍を包囲する輪は一段と狭まった。
第4インド師団はバルディア西および南西の陣地を包囲して攻撃準備を完了した。第2ニュージーランド師団は海岸道路を西進して枢軸軍の司令部・砲兵に遭遇した。第7機甲師団はシディ・レゼク~エル・アデムの道路に居座って頑強に抵抗を続けていた第17パヴィア師団の歩兵大隊と重対空砲大隊を撃滅する事に成功した。
第70歩兵師団はエド・ドゥダの占領に成功した。シディ・レゼク北方の枢軸軍も排除されつつある。第2ニュージーランド師団が東から枢軸軍の背後を突き、トブルク東方の枢軸軍は完全な包囲下に置かれた。バルディア攻撃中の第4インド師団は本格的な攻撃は補給線遮断効果の現れる明日に持ち越し、砲撃を加えるにとどめた。
枢軸軍は分厚い包囲網に囲まれた
戦線に比べて部隊が多くなりすぎたので第1南アフリカ師団の残存部隊を第29インド旅団が占領したつもりが占領し損ねていたポイント158の占領に向ける事にした。
補給レベルは第8軍、第13・30軍団、第2ニュージーランド師団、第4インド師団、カーバシアン、第29インド旅団は「普通」。残りは「攻撃」。
いよいよバルディアへの総攻撃が開始された。猛烈な砲撃の支援を受けてバルディア南西の陣地を攻撃した第4インド師団は、守備するドイツ軍の重自動車化歩兵大隊に59パーセントのダメージを与えて次ターンの突破を確実にした。第1南アフリカ師団の砲兵部隊は枢軸軍掃討作戦に有用なので第32機甲旅団に所属替えをしてトブルク周辺に残留させた。エド・ドゥダ北方のドイツ第90軽装甲師団所属の部隊は執拗に抵抗して譲らないが、エド・ドゥダ東方のせん滅戦は順調である。
第4インド師団はバルディア南西の外郭陣地の突破に成功した。
第4インド師団はバルディア市街に隣接した。バルディアを守るのは司令部と2個砲兵大隊にすぎず、明日には確実に陥落させられるであろう。トブルク東方では枢軸軍の残存部隊を20ヘクス弱の海岸沿いに押し込めて攻撃を加えているが、連合軍側も連戦で疲労しており、包囲網が狭まるにつれて攻撃正面が減少し、大軍の威力を生かせなくなってきている。これに対して枢軸軍は守る正面が減少したため、ハイスタックを形成しており、攻撃は行き詰まりを見せはじめている。また、悪天候のため本日はまったく空軍の支援が行えなかった。
バルディアの外郭陣地を突破してバルディアに隣接した第4インド師団
枢軸軍はトブルク東方で包囲されている部隊の再配置を行っているようだ。司令部と砲兵を後方に下げ、戦闘部隊を前線に配置してきた。連合軍も翌日の攻勢に備えて機甲部隊を前面に押し出した。
トブルク東方で抵抗する枢軸軍残存部隊
第8軍、第13・30軍団、第2ニュージーランド師団、カーバシアンは「標準」。第1・2南アフリカ師団は「防御」。残りは「攻撃」
第1機甲旅団と第11インド旅団の共同攻撃でバルディアがついに陥落した。またトブルク東方の連合軍は包囲の輪を一段と縮めた。
バルディア攻略
第4インド師団を基幹とするバルディア攻略部隊はバルディア自体は攻略したものの、周辺の陣地にこもっている枢軸軍撃破のため再配置を実施した。
第4インド師団はバルディア北西の陣地の守備隊を壊滅させてこれを占領した。残るは北の陣地にこもるアフリカ軍団司令部と自動車化歩兵3個中隊である。
トブルク東方の包囲網が狭まった事により、戦線に比して連合軍のユニット数が多くなりすぎた。このため、第70歩兵師団を予備として下がらせた。
補給レベルは第11インド旅団、全機甲旅団は「攻撃」。第1・2南アフリカ師団は「防御」。残りは「標準」
バルディア北部とトブルク東方の残存枢軸軍に攻撃を実施した。バルディア北部では枢軸軍に5割以上の損害を与えた。またトブルク東方の枢軸軍は残り7ユニットになった。 連合軍は枢軸軍制圧地域を連合軍制圧地域に変えるためと、みつけていない枢軸軍ユニットを捜索し、撃滅するため大量の部隊を分散出撃させた。
連合軍は視認していた枢軸軍を完全に全滅させた。
砂漠中央部を枢軸軍を捜索しつつ移動していた第2ニュージーランド師団の第5歩兵旅団は、枢軸軍のアフリカ装甲集団司令部を発見した。
夜間ではあるが砲撃支援を与えてニュージーランド軍に夜間攻撃を行わせて枢軸軍を全滅させた。枢軸軍が全滅したためゲームは終了した。
陣営 | 合計得点 | 都市の得点 | 敵軍破壊得点 | 攻撃回数 | 成功率 | 制圧拠点数 |
---|---|---|---|---|---|---|
連合軍 | 110,626 | 95,668 | 14,958 | 265 | 96% | 22 |
枢軸軍 | 7,547 | 5,596 | 1,951 | 56 | 78% | 0 |
陣営 | 歩兵 | 装甲 | 工兵 | 対戦車 | 砲兵 | 対空 | 航空 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
連合軍 | 100 | 113 | 11 | 14 | <1 | ||
枢軸軍 | 603 | 123 | 69 | 13 | 93 | 67 |
これまでの5つのシナリオの経験を生かして当初の作戦構想どおりに作戦を遂行できた。唯一の失敗は第4機甲旅団を全滅させてしまった事である。無論、この旅団が第15装甲師団を食い止めて時間を稼いだからこそ、第7機甲師団はシディ・レゼク、ビル・エル・グビ方面のイタリア軍と挟撃されずにすんだのであるが。作戦構想でも書いたが、これだけの長期戦になると部隊を全滅させてしまうととり返しがつかない。特に連合軍は補充が豊富であるため、大損害を受けても全滅しなければ戦力を立て直す事は可能なのである。砂漠中央部方面の全軍をガブル・サレーフ方面まで撤退させるという手段もあった。重要地点など敵野戦軍を撃破すれば自ずと手に入るのである。
131ターンのゲームで64ターンで敵を完全に全滅させ、全拠点を制圧したのは大成功であった。緒戦においてドイツ軍の装甲師団に押されたときは危なかったが、トブルクの第70歩兵師団が西へ包囲線を突破し、ビル・ハケイム方面から北上してきた第29インド旅団と手を結び、枢軸軍のほぼ全軍の補給線を遮断したところで勝利は確定したといえるだろう。
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