モンブラン登山とシャモニー周辺ハイキング(2002年夏)

モンブラン登頂(たぬ)(2002年7月28日)

モンブランの頂上で昼食

モンブランの頂上で昼食

モンブラン頂上でお昼ご飯(14時8分)左はガイドのジョエル。

エギーユ・ド・ミディからモンブラン登山開始

夜は緊張しているためか、トレーニングで程よく疲れているはずなのに眠れない。4時40分に起きて日本から持ってきているそばを作り、しゅっぱーつ。5時45分に駅に着く。

ガイドを探してキョロキョロする。すると、名前が呼ばれる。おーさすが、きちんと覚えているのね。私は顔も忘れちゃったし、名前は確かジュエルだったような、全然違っていたらどうしよう、、、、と思っていいるのに、(後で、ビクビクしながら確認。ジュエルだよね。ジョエル!すまない。でも、近い名前でよかったこれがフランクとかだったら、、、)ジョエルは早起きしていたようで3番目に並んでいた。待っている間にみんなアーネスを付けたり準備をしている。私もやった方がいいのかなーと思うが、ズボンの上にレインウエアをはくべきか分からないので止めておく。

ジョエルの分も私が切符を買うと思っていたが、自分の分だけで彼は写真つきのパスを持っていた。

始発の6時のロープウェイでエギュイーユ・ デュ・ミディ展望台へ、乗客は全員クライマー。あー楽しみ!モンブランが赤く染まって美しい。待っていてね!! 中間駅で乗り換える。乗れたと思ってほっとしていると、急に押され人のバッグの上にお尻をついてしまい。足を置くスペースがとれず、立つことが出来ない。こんな風になっているのは私だけ、これくらいで倒れるようでは山登りできないのでは、、、、、不安になる。

頂上駅に着き、出口へ向かう。と思ったら、ジョエルは柵をまたいで進む。エッ柵を超えるの?私のコンパスでは、、、、ガイドにバッグを持ってもらい乗り越える。 下は凍っていたので手伝ってもらわないと危なかった。 外は暖かそうなのでズボンの上にアーネス、スパッツをモタモタ付け、クランポンを付けようとしているとガイドが付けてくれる。力強く締めてくれる。これで安心。

6時50分頃、エギーユ・ド・ミディを出発。アンザイレンして私が前で歩き始める。

最初の氷河への下りのところでモタモタしている人がいる、右から抜かせと言われる。こんな狭いところで抜かすのは嫌だなと思うが慎重に抜かす。

写真中央左の壁がこのあと数時間後にアイスピックを刺しながら登ることになる。約60mの壁。
壁を越すとモンブランのお碗が目の前に現れる。(そこからも長いのだけど)
ここまでの写真は8月23日にTADAがエギュイーユ・デュ・ミディに行ったときに撮ったもの。これ以降は休憩のときに撮った写真

モンブラン三山縦走コース

さあ行くぞ!と意気込むとゆっくり行こうと言われる。エッいいの?楽しく会話をしながら約30分の下り。
(30分下ったところから、エギュイーユ・デュ・ミディを振り返った写真07時16)

ここからは、上りなので服を脱ごう、水も飲んでと言われる。ラッキー!「写真もいい?と言って水を飲み大きいと思うだろうなーと思いつつカメラを出して写真をとる。ジョエルは放尿。服を脱いでいるのは私たちだけでみんなそのまま登って行く。ジョエルサンキュ!
(写真は7時16分に撮影したこれから登っていく道)
ここからはジョエルが先。また、「ゆっくり行こう。」ジョエルに合わせてぴったりついていくがスピードは上げない。ジョエルと歩調が合い、クランポンが雪に食い込むのが気持ちいい。ジョエルはとっても素敵。しかし、おならをする。ただでさえ空気が薄いのに・・・・でも、グッドなガイドなので許すとしよう。

途中で斜度が上がる。しばらく続く、もうこれ以上続くとキツイと思う頃、休憩と言ってくれる。写真を撮り、水を飲み飴をなめジョエルにもあげる。ジョエルは放尿。「ゆっくり行こう」とまた言う。常に「slowly slowly」と言う。(8時50分、エギーユ・ド・ミディが下に見える。)

よく言われているガイドに引っ張れるって話は?途中に一ヶ所、雪がやわらかく、歩きにくくて、私のスピードが落ちたときに引っ張られた。始まった、と思っていると、そこを過ぎてから振り返り、「雪崩が起き易い所だから」と説明される。あとは引っ張られなかった。最後の牛歩のところで足を止めると少したってからヒクヒクと少し引かれることはあったが。

すてきな白い世界の登山が続く

9時50分、モンブラン・タキュールが見えてくる。「今日はどれくらい歩くの?」と聞くと「あと、3・4時間かなー」とポーカーフェイス。これは真っ赤なうそ。私の士気を下げないための気配りかな。確かにあの時本当のことを聞いたら士気は下がったことでしょう。

きつい斜面を横切って歩いていると(このあたりで私のペースは落ちてきた。でも、ジョエルは何も言わず合わせてくれる)その向こうにかなり急な斜面が見える。壁になっているような、みんなロープを垂らしているのが見える。この道につながっているような気がする、、、。考えるのはやめよう。とにかくゆっくり歩こう。

なんかいやーな予感。ものすごく急になっている気がする、、、、

エッやっぱり、この壁を登るの!!ジョエルが窪んだ所を指差し、ここに入っていなさい。動くな、荷物を外してもいけない。僕がロープを引いたらピッケルを指して登ってきなさい。と言って去っていった。待っている間に時計で高度を測ると4000mを越している。しばらく待つと、ロープがヒクヒク。しかし、上はまったく見えない。とにかく、クランポンの前の2本を雪に刺してアイスピックをカンカン雪に刺し登って行く(モンブランでは杖に使えたほうが良いと思って長いアイスピックをレンタルしているので刺しにくい)。

ここには、ジョエルが撮ってくれた写真を載せるつもりだったのに、なぜかメールが届かない!。送ってくれるって言ったのにー。

途中で上を見るとジョエルが見える。そこまで頑張ろう。私の名を呼ぶので見ると、写真をとってくれる。フー着いた。と思うと。私のアーネスと岩にロープを付けてまた登っていってしまった。後で聞くと全部で60m。前半40m後半20mとのこと。

登りきると正面におわん型の山が!!この形はモンブラン?4000mを越したところで60mの雪の壁。力を使い果たしてしまった。トレーニングでは荷物を持たずに、もっと短くもっと緩やかな斜面だったのに・・・・。水を飲んで写真を撮り、飴をなめる。ここでもジョエルは放尿。よく出るなー。さーもうひと踏ん張り頑張るぞ。

この2枚の写真は壁を上りきったあと、10時58分に撮った。

あの「おわん」まだ遠いなーしばらく歩いていると「おわん」がかなり近くなる。フリースとレインウェアを着てジョエル放尿。あと2時間と声がかかる。ジョエルがストックを伸ばして用意している。写真を撮って水を飲んでいると、私の左に一本置いてくれる。えー私の分もあるのですか?ありがとうございます。右にアイスピック、左にストックで登り始める。このあと、このストックにどれほど助けられたか。(12時22)

少し前を歩いている人の足元がふらついているなーと思う。しばらくすると、シートに寝かされガイドが横でノートに何かを書いている横を通り過ぎる。あの人はその後どうなったのだろう???

あと30分と声がかかるが足が重く、体が前に進まない。モンテローザを見つけ、「モンテローザね。登るの難しい?」と声をかける。ジョエルは足を止めて「あれがマッターホルン」と指を指してくれる。ラッキー。しかし、すぐ歩き始める。マタニティ講習のヒーヒーフーの呼吸を使ってみるがそれでも酸素は不足している。しばらく、ヒーヒーフーと続けるが結局ハーハーハー。フラフラしながら、貸していただいたストックに寄りかかりながら歩く。ありがとうございます。

ずっとslowly slowlyと歩いてくださったので心臓は激しく打つことは無く歩き始めからずっとダンズ状態。今もダンス状態で変わらないが息をしても息をしてもペースが上がらない。あー牛歩だ、これは牛歩だ。こんなにゆっくり長く歩いたことは今まで無い。国会議員になれるかしらとくだらないことを考える。斜度はきつくない。ルートはおわんをゆっくりゆっくり登るようにとられている。この"おわん"頂上が遠い。あーしんどい。

モンブラン頂上で昼食

ハーハーハー。あと1分とジョエルが言う。その1分もとても長かった。実際1分だったのか、もっともっと長かったのかは分からない。ハーハーと足を進めていると、ジョエルが肩をポンポンと叩く。気が付くと雪原。周りに自分より高いものは何も無い。雲と遠くに山々。ヤッター着いた。ジョエルサンキュ!4,807m 、14時に到着。

あー美しい。幸せ。TADA、NAOMIサンキュ!

モンテローザも美しい。

はるか下にシャモニーが見える。

時計の高度計は4625m。本当は4807m!

写真を撮り、Lunch。持ってきたフランスパンを食べる。あー気持ちがいい。頂上には私たちともう一組のみ、そのガイドに写真をとってもらう。もっとゆっくりしていたかったが、寒くなるので(頂上付近は風が強く、歩みは牛歩だったので登っていても全然体が温まらなかった。)下り始める。

モンブランからの下山

15時8分、これがノーマルルートだな、と思いながら歩く、ひと下りすると熱くなるので服を脱ぐ。

下りは楽チン。

15時30分、クランポン(アイゼン)を外すとジョエルが言う。えーちょっと早過ぎない?と思うがガイドが言うので外す。歩き始めると歩きにくく、ズボズボする。少し上がってまた下る。下り始めて尻餅をつく。ジョエルはバランスがよくスイスイ滑ったり気持ちよさそうに歩いていく、私は、足がガクガクだしそんなにバランスが良くないので、よく尻餅をつく、するとジョエルは笑顔でそのまま、そのままと尻ソリで私を引っ張って走っていく。尻ソリ気持ちいーい。何度も何度も尻ソリをしてもらう。楽しかった。

16時30分、最後の力を振り絞りグーテ小屋にたどり着く。

グーテ小屋

小屋で気付いたが、尻ソリでパンツまでびしょびしょになっていた。明日までに乾くか心配だ。ジョエルが寝場所の手配をしてくれ部屋に連れて行ってくれる。「18時からご飯だからそれまで寝ていて」と言う。ぬれたズボンを脱ぎ、レインウェアーのズボンをはきトイレへ行く。昨日、トレーニングが一緒だったフランス人と会う。登頂を報告。

話しているとジョエルが私の名を呼ぶ。フランス人4人組(2夫婦)と同席になり、楽しい夕食となる。まずクレソン(たくさんのカリカリのパン)とチーズが出てきて、そのあとスープをかける。失敗。クレソンもスープも別々だと私の好きな味なのに、こんなベチョベチョのパンどこがおいしいのだろう?チーズは溶けておいしかったけど。みんなはおいしそうに食べているが、ごめんなさいをする。次のポテトとハムもみんなはおいしそうだが、駄目だ。疲れて食べれないのか、食が進まない。でも、薬と思って水で流し込む。最後はヨーグルト。

「ジョエルが天気がよかった」というので「天気がよくガイドがよく幸せ」というと「サンキュー」という。本当に良い天気と良いガイドに恵まれ幸せ。「ゆっくり歩いてくれてありがとう」というと「それが私の仕事」とも言っていた。 食事後清算をする。2人の部屋代72ユーロ、水1.5リットル4ユーロと安い。でもカードの支払機の調子が悪く使えない。現金少ないのに・・・・。 フランス人と写真をとり(彼らは、6年前グーテ小屋まで来たが翌日雪が降り登頂出来なかったらしい)明日頑張ってと楽しく会話し、メールアドレスの交換をする。 おやすみなさい。

夕方、グーテ小屋に登ってきた人。お疲れさま。

夕焼けを見ようと待っているが、雲が出てきて見えない。残念。21時ごろ寝ようとするが高度のためというより疲れて頭が痛い。眠れずに苦しむ。

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コメント(4)

今年、7月にモンブランに上る予定です。初めての海外登山でどきどきしています。このレポを読んで士気が高まりました!私も天候に恵まれ、登頂できることを祈るばかりです。

たぬたぬのホームページへのご訪問ありがとうございます。
ブログを読ませていただきました。フィルストで結婚式とは素晴らしいですね。山を楽しんできてください。お幸せに。

パノラミックモンブラン :

もしや、今日、パノラミックモンブランでご一緒になり、色々とお話伺ったのが、たぬたぬさんでは?早速、家に帰って、モンブラン登山ってどうなのかなあ?と検索して、最初に訪問したサイトで、あれ!?とっても楽しいサイトですね。実現できるかどうか?は疑問ですが、とっても参考になりました。ありがとうございます。

そうです。天気が良く景色が素晴らしくてお互い幸せでしたね。モンブラン登山で検索をしたということは、その気になったのですね、せっかくアルプスの近くにお住まいなのですから、是非トライしてください。展望台から見るのとは格段に違うものが体験できます。