マッターホルン・ブライトホルン登山(2003年夏)
モンテローザーヒュッテへ向かう途中のゴルナー氷河上にて。2003年夏はヨーロッパアルプスは異常に暖かく、クレバスの状態は最悪であった。一応、ハイキングコースと呼ばれている小屋まででもかなりきわどいジャンプやクレバス渡りを余儀なくされた。
ローデンボーデン駅でたぬたちと別れて歩き出す。正直言って体調はあまりよくなく、不安である。明日の午後の天気も悪そうで本当に登れるのかなあ。
ゴルナー氷河は冬に来たときとは違って、土や岩の斜面と氷河の区別がはっきりついて美しい。
リスカムLiskamm4527m
分かれ道にモンテローザヒュッテへの道標がある。ここまでは30分くらいできて。楽な道であった。だが、このあと足場の悪い急斜面の岩場を氷河に向かって下ることになる。 途中で日本人のカップルに出会う。モンテローザヒュッテに向かっているので「今日はヒュッテに泊まるんですか」と聞くと日帰りだという。どう見てもヒュッテまでたどりついて戻れるスピードでも装備でもない(きちんとした登山靴も履いていなかった)ので日帰りはあきらめたほうがよいとアドバイスして追い抜かした。(小屋には現れなかったので引き返したらしい)
ようやく氷河に近づくとものすごいクレバスがある。
氷河越えはハイキングコースでもあるし、たいしたことないように思っていたが、近づくとものすごいスケールである。モンブラン山群のメールドグラスより明らかに大きい。
氷河に入ってから振り返る。リッフェルホルンが見える。たいしたことない地形に見えるが、スケールが大きいのでここまで1時間以上かかっている。
岩が多くて土がのっておりそんなにすべりやすくもない。だがだんだん岩や土が減ってきた。
氷河の上に来ると風がさすがに冷たい。ちなみに氷河上で安全なコースを示す赤旗は視界ぎりぎりあるいは前の赤旗からは視認できない場所にあることもあり、ある程度勘で進まざるを得ない。
氷河の上からものすごい勢いで水が落ちてきている。
岩が少なくなり。氷河が美しくなってきた。これぞアルプスの醍醐味といった感じである。雲をかぶっているのはマッターホルン。
岩場の上に小さくモンテローザ・ヒュッテが見えてきた。コースタイム2時間30分のハイキングコースだから、モンテローザ登頂を狙う身としては2時間はきりたいと思っていたがすでに1時間20分近く経過。緊張しているせいか、すぐ息切れする。時差ぼけと睡眠不足もあるのかな
リスカムLiskamm4527m。大部歩いて近づいているはずなのに歩き始めとほとんど変わらず、近づいている気がしない。
クレバス帯に入った。ハイキングコースだし、赤い旗の示すとおりに行けば大丈夫と思っていたが、クレバスがひどくて赤旗から赤旗へは直進できず、かなり大回りしたり、ジャンプしたりする。こんなところでもクレバスは結構深く、同行者もいないので落ちたら終りである。 ローデンボーデンを14時45分ごろに出ていて、少し遅めのせいか、たまにすれ違う人はいてもヒュッテに向かう人はいない。
ようやく、氷河を越えた。こうやって見るとたいしたことないが、結構大変だった。これでハイキングコースとは。直美を背負ってなどとんでもない。やめといてよかった。
延々と岩場を登る。完全に息が上がってしまう。これくらいでとは思うのだが、トレーニング不足のためか体がいうことを聞かない。
高度を上げていくと氷河の眺望はすばらしい。
ようやくモンテローザヒュッテにあとわずか
見えてきた見えてきた。
到着。素敵な感じの小屋である。でもハイキングと同じコースタイム2時間30分くらいである。明日に不安が、、、
1895年からあるらしい。すごい。もっとも今の建物は1984年建築のようだ。
ここから見る朝晩の風景はすばらしいことだろう。
登山靴や装備などは部屋への持ち込みは禁止されていて、別室におき、スリッパで行動する。
寝室。日本の山小屋と変わらない感じである。ヨーロッパの山小屋に泊まるのははじめてだが、なんとなくほっとする。眠かったので少し昼寝をし、18時の夕食の前にガイドのハーヴィを紹介される。今日、マッターホルンを登ってさっきついたばかりという。あまりのタフさに言葉もない。夕食は味もボリュームも山小屋にしてはよく満足できた。 この日は空いており、30人くらいの宿泊者であった。このためとなりは空けてもらえたのでそんなにきつくなかった。だが時差ぼけのせいか、昼寝をしたせいかほとんど眠れなかった。
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