マッターホルン・ブライトホルン登山(2003年夏)

マッターホルン登頂(たぬ)(2003年8月 3日)

マッターホルン頂上で記念写真

マッターホルン頂上で記念写真

マッターホルン頂上を目指してヘルンリ稜を登る

隣の日本人が3時から起きてゴソゴソ。私も含めてほとんどの人が3時45分頃に起きて、身支度。4時から食事。パン、チーズを紅茶で流し込むようにして食べる。後から来た人たちはお湯が足りなかったようだが、窓口は閉じていて追加はもらえない。厳しい。

4時20分ウォルフガングとアンザイレンして出発。よろしくお願いします。すぐに息が切れる情けない。ハーハー。1時間20分くらいのところで休憩をくれる。(体力のある人たちはここで休憩せずに登って行った)

腰をかけろ、水を飲めと言われる。ヨーロッパのガイドは水も飲ませてくれない。と書いてあるのをよく見るが、私の少ない経験からすると、ガイドはプロ。何も言わなくても息の切れ具合、ペースを見て必要ならば休憩をくれる。ただ1時間以内では休まない。と思う。でも必要ないと判断するとガンガンいく。下りは息が切れないし好きなので、楽しく下っていると(ちょっと疲れたなーと感じていても)一度も休憩はなかった。

このペースだと登るのは難しいかなーと少し不安だが、聞いてもどうすることもできないので聞かなかったが、私の隣で休憩している人が聞いていた。大丈夫との答えが返ってきていた。
途中、この人の息が切れてきたとき、ガイドがショートステップと言っていた。私もいつも言われている、実際に大股か小股ではなく、息が切れているとガイドはまずショートステップって言うのかな?

快晴。前回と違って全然雪がない。登りやすい。
手袋を付けて登っていたが岩が掴みにくいので外してポケットに入れていて片方なくしてしまった。

岩が大きくて足を掛ける所までぎりぎりだったりしたが、リッフェルホルンよりは全然楽。後続のガイドにここに足を掛けるといいよ。と教えてもらったりしながら、登りつづけると、2時間30分でソルベイ小屋に到着。やったー!これで頂上への切符は手に入った。うれしい。しばらく休憩して再出発。

ほっとしてペースが落ちたかもしれない。しかし気を引き締めて頂上へ向かう。豚のしっぽとか、鉄の確保点とかあるが、取り合いが激しい。
もちろん私は取り合いには参加していない。ガイドがロープを先に掛けるために争っている。

一時間ほど登ると、休憩をくれる。「あと一時間。でも下りが長いよ、5時間。」と言われる。
 

天気がよくて暑い。

タバコが大好きなウォルフガング。休憩のたびに1本。タバコがなくなると出発。

早く登頂した人たちとすれ違う。「もう少しだよ頑張って!」とガイド登山仲間とすれ違うと声を掛けてくれる。もう登れると思うとうれしくてたまらない。笑みがこぼれる。残り30分のところでアイゼンを付ける。狭いのでウォルフガングが付けてくれる。

登りつづけると、座っている人が見える。あれが頂上かなー。像があるゾー。と思っていると。おめでとう。そこに座って。と言われる。着いたー。頂上かー。ウォルフガングありがとう。ヘルンリヒュッテからの所要時間5時間5分

マッターホルン登頂と頂上の景色

全然実感が湧かない。モンブランが見える。みんな喜んでいる。イタリア側頂上でも喜んでいる。写真を撮ってもらう。欧米人がゼリア製薬と書いてある旗を立てて写真を撮っている。日本人ガイドで登った日本人がビデオで自分を取っている。私は紅茶を飲み行動食を食べて周りを眺める。
(日本から持ってきていたゼリータイプの行動食が足りなくなったのでこっちで買ったが不味かった)

今日の登りの5時間5分は全然長いと思わなかった。
ただ、登るまでが長かった(モンテローザ・ブライトホルン・リッフェルホルン・雪のマッターホルン)ので頂上ではうれしいというよりホッとしたという気持ちが強かった。

昨年、モンブランに登ったときは、頂上まであと少しがとても長く、登頂した時は、あー頂上だーという感じだったが、今回は岩場なのでそんなゆとりがないのか、理由は分からないが頂上という感じが、全然湧かなかった。ただ周りに高いものは何もなかった。

イタリア側の頂上。あちらでもうれしそう。

マッターホルン頂上から楽しい下山

10分ほど休憩した後、下り始める。
ソルベイヒュッテまではほとんど懸垂下降。「アーネスに座って」と言われてどんどん下ろされる。下ったら、確保点にザイルをクルクル巻いて、ウォルフガングが降りてくるのを待つ。
降りてくるのが格好いい。とっても素敵。思わずビューティフル!と褒めてしまった。

ウォルフガングはとても上手に降ろしてくれるので岩にぶつかることもなく、しかも、ほめてくれる。うれしい。懸垂下降は楽だし、楽しいし。あーうれしい。フィールドアスレチックではこんなに楽しくないなーと思いながら、どんどん降りる。もっと懸垂下降で降りたかったなー。

ソルベイより下は、自分が先に降りる。特に急なところ(5回くらい後ろを向いたかな)以外は後ろを向かず前を向いたまま降りるように言われる。座って降りろと言われる。何度も褒めてもらえて気分がいい。下りは休憩なしで、3時間45分でヘルンリヒュッテに到着 (13時20)所要時間9時間。
ウォルフガングありがとう。
ウォルフガングは早速マルボロを取り出し一服。
ウォルフガングとゆっくり食事がしたいが、今日中にチューリッヒまで移動しなければならない。

さようならツェルマットそしてマッターホルン

急いでデポした荷物をザックに入れ、ウォルフガングの所へいくと、渡すものがあると登頂証明書とマッターホルンのバッチをくれる。うれしい。ありがとう。写真を撮ってもらって、少し挨拶をして、お別れをする。ありがとうございました。あなたのおかげです。アドバイスをもらうが最後「30分息が切れていたがそれは普通だからいいよ。」と特に言ってもらえなかった。
ガイド登山仲間のスイス人、アメリカ人、カナダ人とお互い祝福しあう。日本人には会わなかった。
ヒュッテはハイカーで賑わっていて華やいだ雰囲気。もう少し余韻に浸りたかったが、帰りを急ぐ。

途中、ガイド登山仲間のスイス人と一緒になる。彼は、昨年メンヒとユングフラウ、2年前にモンブランに登ったとのこと。楽しく一緒にシュワルツゼーへ。

待ち合わせのためにTADAとNAOMIは3時からシュワルツゼーに待機の予定だったので、私も、3時にシュワルツゼーに着けるように急ぐ。ゴンドラから降りた二人を発見。手を振り、登れたことを伝える。NAOMIを抱きしめる。ありがとう。

ツェルマット16時10分のBrig行きの電車に乗れるように急ぐ。アルパインセンターに挨拶をしたいがまだ開いていない。アイスクリームを買って駅へ急ぐ。ゴンドラに乗って一度座ってしまったので、歩き始めたら足がパンパンで速く歩けない。足を引きずり、アイスクリームを持ち、NAOMIの手を引 いて駅へ急ぐ。

チューリッヒに着いたのは21時14分。先に送っておいた荷物を取りにいくが、窓口が閉まっていてもらえない。券を売っているおじさんに頼むが駄目だった。仕方がない。明日、空港で荷物の詰め替えをするしかない。

NAOMIにはバナナの夕食で我慢してもらって、ホテルに着くとすぐに眠る。今年のヨーロッパは猛暑で暑い。ホテルの窓は開かないし、クーラーもない。いつもは必要ないからしかたがないが寝苦しい。NAOMIも寝苦しかったようで、11時頃やっと深い眠りに着く。

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