アイガー・メンヒ・ユングフラウ登山(2004年夏)
13時25分 ユングフラウフィルンに下りてアイゼンをはずす。マッターホルンと比べる山ではないが、ブライトホルンよりははるかに難しい山だと思う。
この頃より、頭痛がしてくる。高山病かそれとも体調不良による頭痛か、、、、
景色は素晴らしいが、これからミッテルレギ小屋まで行くのか。自信が無い、、、
山岳ガイドのウールスは、TADAの調子が悪いことに気づかない。
スフィンクス展望台も今行くと良い眺めだろうが、こちらはそれどころではない。「アイガーどうしよう」。迷ったが、ミッテルレギ小屋まで行って調子が悪ければあきらめることにする。
ユングフラウヨッホから下りる電車は観光客で超満員。いつまで待てば乗れるかわからない状態だったが、さすがガイドで係員と交渉して運転席の横に乗せてもらい、本来停車しないアイスメーアで下ろしてもらった。ついでに料金ははらっていない。いいのかな?
アイスメーアの駅から、氷河上にに出るためのトンネルを通って鉄の扉を開けると氷河に出られるのだが、そのトンネルの地面が凍っていて怖かった。アイゼンをつけていても硬い氷で怖かったかもしれないが、ガイドのウールスはアイゼンなしで手すりとかにつかまって下りていく。転んだら冗談では済まされないほど痛そうだし、鉄の扉まで滑っていって激突しそう。
14時50分 なんとか氷河に出て、歩き出す。どうってことのないルートだが、落石の危険が相当あるようで上を見て注意しながら急いで通る。落石で上から落ちてきたと思われる大きな岩が斜面にゴロゴロしている。
氷河を横切るとルートはいきなり岩にぶつかる。「え? まさかここ登るの?」
固定ロープなしではTADAの手に余るような岩場を登るとあとはそれほど難しくない岩場であった。でも最初の岩場はマッターホルンの岩場よりも難しかった気がした。小屋に行くまでのコースであんな岩場があるのでは、明日のミッテルレギ稜は大丈夫か不安になる。16時43分、前方の稜線上にミッテルレギ小屋が見えてくる。
天気も悪くなってきたが、小屋までは迷いそうも無い道だし、大丈夫だろう。
17時10分、小屋に到着。すごいところに建っている。ナイフリッジの少し太くなったところに無理やり固定してある感じ。
登山者の中では最後に近かったが、2階の隅の良い場所を割り当てられる。きれいでアットホームでこの上ない良い小屋である。もう凝れないところかもしれないので荷物を置くと周辺偵察と撮影に出る。
前の小屋はアイガー東山稜(ミッテルレギ稜)をの1921年9月10日に初登攀した日本人 槇有恒の寄付で建てられたものであったが、2001年に新しい小屋に変わっている。
明日向かう、アイガー頂上方向はガスに包まれてよく見えない。
雲の間からメンヒが顔を出した。
ここが小屋の食堂。清潔で木の匂いがする。この日の宿泊者は10数人で日本人は4人。私ともう一人の方がガイド登山で夫婦で登りに来ているすごい方もいた。
20時50分、雲が減ってきたようなので小屋の外に出るとどんどんガスがなくなっていき、美しいミッテルレギの三角の稜線を見ることが出来た。
ラウターアールホルン(4042m)
フィッシャーホルン(4049m)
ミッテルレギ小屋とアイガー・ミッテルレギ稜
メンヒ(4099m)
21時過ぎにようやく日は沈んだ。この素晴らしい眺めを見ただけでもここまで来た価値はあったと思えた。
でもやっぱり明日はアイガーに登りたい。でも頭痛は治らない。
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