ヴァイスホルン登山とツェルマット周辺ハイキング(2006年夏)

ヴァイスホルンへ届かず(たぬ)(2006年7月27日)

曙光のマッターホルン~ヴァイスホルン東稜から

曙光のマッターホルン~ヴァイスホルン東稜から

ヴァイスホルン山頂を目指してヒュッテへ出発

今日は、たぬがヴァイスホルン小屋からヴァイスホルン山頂を目指して登る日である。

2時少し前にトイレに行きたくなったので起床する。外へ出ると星が美しい。星の輝きで明るいくらいだ。プラネタリウムより星が多いと思った。2時に宿のおじさんが朝だよと部屋に声をかけて起こしてくれる。

急いでパンと紅茶、ジャムにチーズの朝ご飯を食べる。。そしてトイレへ行く。
2時半に荷物の用意をしていると、ガイドに名前を呼ばれる。急いでいる様子だ。他のガイドは黙って見ているのに、、、一番先頭が好きなようだ、困るなー。私はスピードに自信がない。

今日のガイド登山は3組だ。すぐにアンザイレンし出発する。

昨日、冷えたから雪が締まっている。とガイドはご機嫌の様子だ。しかし氷河の上を歩く私のスピードは上がらない。
他の2組が私たちの先に行こうとするのを嫌そうにしているが、氷河上で抜かされる。

一番好きのガイドだからいやだなーと感じる。氷河の次は岩場を登る。

岩場は好きだから気持ちよく歩く。天気がいい。ちょっとゆっくりだけど大丈夫なのかなーと思うが、ガイドがザイルを引っ張ることもなく、マイペースでゆっくり登り続ける。今日の登山は割りと楽だなーと思いながら楽しく登っていると、ガイドが「もう少しで朝食場だよ。」と言う。

朝食場に到着して、チョコレートを気持ちよく食べていると、「遅いから、頂上までは難しいかもしれないよ、景色が良いから写真を撮りながら登ろう。」と言われる。
そこからは馬の背、写真を撮りながら岩場を登り続ける。景色は素晴しいし、岩の登りも楽しい。

雪稜が見え、時計の高度計が4000mを指しているところで、「お疲れ様。」と手を差し出され握手をする。時刻は7時30分。えー!ここで終わり?!、、、、。なんとか登りたいと交渉するが駄目!
がーん。気持ちよく登っていたのに、、、、だめならもっと早く、遅いから急ぐようにとか、ザイルを引っ張るとかしてくれればいいのにー
と思っても仕方がない。

5時間かかってしまったのが駄目なのね。ここから先は3時間、帰るのに5時間かかる。だからもう駄目だって。あーあー

がっかりして下り始める。気を引き締めないと落ちちゃうから、気を取り直して下る。

ガイドは懸垂下降で私を下ろそうとするが、それでは経験が積めないので、意地になって自分で降りる。ガイドはそんなことをしていると下りに6時間かかると、不機嫌に言っている。

すばらしい景色の中を下り続ける。

最後の雪稜も、転んだところで引っ張ろうか(尻ぞり)?と言われるが、自分で歩く。といって歩く。12時小屋着。すばらしい景色で楽しい山歩きだったが、残念。産後しっかりしたトレーニングもしていないし、実力不足だから仕方がないと思いつつも、がっかり。
小屋のおじさんにどうだった?と聞かれて、駄目だった。と答えると4000mのところ?○○のところ?と聞かれる。引き返すポイントは2箇所に決まっていることが分かった。
可哀想だったのか、後でおじさんが小屋のバッチを私にくれた。ありがとうございました。

チェックアウトしガイドに挨拶をして早々にランダ駅に向かう。3時過ぎの電車でツェルマットへ戻る。
宿に帰るとかわいい3人が迎えてくれる。ありがとう。でも実力不足で駄目でした。ごめんなさい。

しばらくすると、宿の管理人が建国記念日(8月1日)の旗をベランダに立てるといって部屋に入って来た。TAKUがびっくりして泣き始めた。夜子供の泣き声がうるさいという苦情が来ているから泣かさないようにと注意をされる。TADAに聞くと、昨日の夜2時くらいから泣いていたらしい。

もう、今回はお山に行かないので泣かせないから大丈夫よ。ごめんね。たくさん泣かせちゃって、それでも登れなくって、、、と更に情けなくなる。

いっぱい、チョコとか食べたからTAKUが反応しないか心配なのでインタールという、アレルゲンを腸で吸収しないようにする薬をTAKUに飲ませてからおっぱいをあげる。

登れなかったので肉体的にも精神的にも疲れた。

夕方、明日からのTADAの登山の確認にガイド組合へ行く。
天気予報をチェックすると明日の天気が悪い。そのため、一日延ばしたいと伝えると日程を変更してくれる。ツェルマットのガイド組合のシステムは素晴らしいといつもいつも感心する。

ヴァイスホルンヒュッテから朝食場経由で引き返すまで

5時45分。登り始めて3時間15分で朝食場に着く。
チョコレートの朝食を食べる。天気が素晴しい。マッターホルンが格好いい。

ツェルマットから見たマッターホルンとは角度が違っている。これもまた格好いい。

モンテローザ

リスカム

朝焼けで山々が赤くなる。こんなきれいな景色の中にいて自分の足で山を登ることができることも登山の楽しみの1つだ。

登山ルート

どんどん赤が強くなる。

朝食の休憩を済ませ、再出発する。

朝食場の後は、岩場が細くなり馬の背になる。登山がスリリングになり、一段と楽しい。

岩も朝日で赤い

日の出。

モンテローザにも朝日が当たっている。

3年前に登ったブライトホルンハーフトラバースのコースが良く見える。懐かしいなー

紅くそまるマッターホルン。素晴らしい。

ガイドにここで引き返すといわれ、頂上を悲しい気持ちで眺める。(6時10)

無念の下山

下り始めた。

カメラを首に提げているので写真がたくさん取ることができる。

美しい景色の中、急な岩場をどんどん下る。ガイドが懸垂下降で下ろそうとするのを意地になって自分で下り続ける。

雲海が広がっている。

空はどんどん青くなる。マッターホルン(左)オーバーガーベルホルン(右)

ツェルマットから行けるどこの展望台からとも違う角度から景色が見えるのでとても新鮮だ。

気持ちは晴れないが、景色は素晴しいので登れなかったことを忘れてしまえば、素晴しい山下りだ。

マッターホルン

モンテローザ

ヴァイスホルンヒュッテが見えてきた。お・し・ま・い。残念でした。12時に小屋に到着。
また来ることがあるかなー?
小屋のおじさんが哀れに思ったのかピンをくれた。

ヴァイスホルンヒュッテからランダまでハイキング

ヴァイスホルンヒュッテからヴァイスホルン頂上に別れを告げて小屋を去る。

小屋からのモンテローザとリスカム。

小屋からのドム。この角度は素晴しく格好がいい。

小屋からランダ駅までのハイキング道の上半分は景色がよく、また歩きやすく、とても楽しいハイキングができる。

歩きやすい道が続く。

暖かくなってきて雲が出てきた。

ドムはきれい。

羊小屋がある。

みんなと下る時間がずれているので誰にも会わない。

ハイキング道の下半分は木が茂っていて見晴らしが悪く蒸し暑い。

踏切まで戻る。

ランダ駅に到着。あー疲れた。
悲しいけれど実力不足だから仕方が無い。TADA、NAOMI、TAKUに負担をかけたけど登れなくってごめんね。

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