フィンスターアールホルン登山とスイス中部観光(2008年夏)
たぬはフィンスターアールホルンへ向けて出発した。ユングフラウ鉄道(JB)でユングフラウヨッホへ行き、山岳ガイドと待ち合わせ、アレッチ氷河を下り、フィンスターアールホルン小屋で宿泊した。
4時30分に子供たちが起床する。ぐっすり眠ったので、時差ぼけはほとんどないようだ。日本を夜出発するフライトのほうが時差ぼけを調整しやすい。子供たちにマッサージをしてもらった後、6時から、ご飯、サラダ、鰹節の朝食を食べる。こどもたちの足音がうるさかったらしく、オーナーから子供を走らせるな!とお叱りを受ける。ごめんなさい。
7時50分、宿を出て、まず、6daysのユングフラウパス145CHFとユングフラウ[Jungfrau/4158m]ヨッホへの往復チケット52CHFを購入する。
その後、やっとコープが営業を開始したので、買い物(レタス、トマト、ナス、キーウィ、バナナ)をして帰宅、大急ぎで登山用の服に着替えて駅へ向かい、8時17分のクライネシャイデック行きの電車に乗る。ぎりぎりだった。うとうとしながら電車に乗っているうちにクライネシャイデックに到着する。雲り空だが、相変わらずたくさんの人で賑わっている。ユングフラウヨッホ行きの電車に乗り換える。アイガーグレッチャー駅までは景色を楽しみ、アイガーの山塊の中に入ってからはおにぎりを食べ、5人家族の韓国人のパパが、こどもたちに日焼け止めクリームを塗ったり、暖かい服に着替えさせたりと、かいがいしく世話をしている姿を微笑ましく見ているうちに終点ユングフラウヨッホ駅に到着する。列車内の案内放送はドイツ語、英語、中国語、フランス語、日本語、韓国語の順だった気がする。
ユングフラウヨッホ[Jungfraujoch/3454m]に10時59分に着いた。待ち合わせの場所にガイドらしい人が立っているので声をかけるが、別の人だった。次の電車で来るだろうと思い、とりあえずトイレへ行く。どんなガイドだろう、ドキドキ、ワクワク楽しみだ。遅刻するくらいの人のほうが、時間にうるさくなくて、少しくらい登るのが遅くても登頂させてくれるかもしれないなー。遅刻してくれたことによって、たぬたぬは気が楽になった。三個目のおにぎりを食べて待つ。
11時30分に笑顔の素敵なドイツ人ガイドが、「遅れてごめん。」と言いながら登場する。この笑顔は当たりの気がする。英語が話せるかと聞かれ、「少し」と答えるとほっとした様子だ。
11時50分、ユングフラウヨッホからフィンスターアールホルンヒュッテに向かって出発する。私が前で下り始める。きっと歩き方をチェックされているだろうと思い、少し緊張しながら歩く。その後、ガイドが前を歩く。
アレッチ氷河[Aletschgletscher]をどんどん下る。下りが続くので息が切れず楽しく歩くことができる。ゆっくり歩いてくれるので楽チンで楽しい。初めて、ガイドに向かって「もう少し早く歩いて」と言う。快感だ。
昨年(2007年)は登山が上手くいかなかったし、子供たちとスイスの町歩きをするのがとても楽しくて、もう登山は終わりにしてもいいかな?と思っていた。
しかし、すばらしい天気の中、アレッチ氷河[Aletschgletscher]を歩いていると、こんなに楽しく得がたい体験はやめられない、これからも続けたいと強く思う。2時間氷河上を少しずつ下る。 最高の気分だ。
幅の広い氷河の割れ目を何度か越えた。2度、大きな割れ目がなかなか渡れず、クランポンを付けて大ジャンプ。半ば落ちかけながら渡る。その時、ストックを持ったままで手を付いたので、手の親指の爪の下を氷で切って血が出てきた。手袋を付けておくべきだった。(その後、小屋で会った何人かの人も同じように手に傷をつけていた。)
コンコルディアプラッツ[Konkordiaplaz]まで下った。楽な下りの後は氷河を2時間登る。 アレッチ氷河[Aletschgletscher]からフィッシャー氷河[Fieschergletscher]への峠越えのような感じ。
2時間登ると、やっとフィンスターアールホルン[Finsteraarhorn/4274m]の雄姿が見えた。素敵だ。バッハアルプゼーから見たのとは違う姿だ。その後1時間下り、フィンスターアールホルン小屋[Finsteraarhornhütte/3048m]の下に着く。ガイドがゆっくり歩いて、息が切れないように調整してくれたので、休憩は一回だけだ。
急な下りのところで、まっすぐ下って降りたらガイドにGoodと褒められた。昨年までだったら、あの斜度では斜めに下っていたが、昨年、ガイドが下るところを見ていて学習したことが生きてうれしい。
延々と氷河上を歩いた。
明日はあの頂点に立てるだろうか! フィンスターアールホルン[Finsteraarhorn/4274m]。
バッハアルプゼーからの姿とは全く違う。
フィッシャー氷河[Fieschergletscher]を渡ると、小屋は目の前だ。70mくらい岩道をのぼる。疲れているので20分もかかってしまった。合計で5時間20分、17時10分に小屋に到着する。ユングフラウヨッホ[Jungfraujoch/3454m]からフィンスターアールホルン小屋[Finsteraarhornhütte/3048m]まで5時間20分かかった。
氷河歩きは面白かったが、もう十分だ、しばらく氷河は結構です、たっぷり堪能しました!という感想だ。登山の後に観光でアレッチ氷河を見るのが候補の一つだったが中止だ。
小屋からのフィッシャー氷河[Fieschergletscher]の眺めが素晴らしい
フィンスターアールホルン小屋[Finsteraarhornhütte/3048m]でガイドとケーキとジュースを食べる。おいしかった。ジュース(rivella)はジョッキに500mlも注がれてビックリ。ちょっと多すぎる。
小屋は驚くほどきれいで快適だ。まず、2段ベッドの一段を一人で使える事に驚く。そして、夜は廊下に人がいると自動で電気がつく。トイレは建物の中にあり、女性専用もある。女性が着替えたり、体を拭いたり出来る専用の部屋まであり、そこでも水が使える。ゴミ箱もいたるところに設置されている。山小屋にいるということを忘れてしまいそうだ。こんな快適なホテルが5時間以上も氷河上を歩かなければたどり着けないところにあるなんて不思議だ。
今日は宿泊客が少ないので感じの良い母と娘が二人で小屋を切り盛りしている。夕食は18時から始まる。大豆、ベーコン、にんじんの入ったおいしいミネストローネ、レタスのマヨネーズ和え(マヨネーズが多すぎ)、チーズとお米と卵(?)の混ざった黄色いもの、ひき肉のベーコン巻き、チョコレートムース(お腹がいっぱいで残してしまった)。どれもとてもおいしく、量もたっぷりあって大満足だ。
宿のスタッフが二人しかいないのでガイドが食器拭きを手際よく手伝う。気が利くし何でも出来る人だなー。爪の垢を貰いたいな。登山中、休憩やクランポンの着脱の際、過去のどのガイドも自分が一番座りやすい岩などに腰掛けて、「その辺に座りなさい。」という感じだった。今回のガイドは一番座りやすい岩を残しておいて、私に使わせてくれた。細かいところにも気が利いていて登山が快適だ。
20時の10分前に宿の人が食堂のテレビを付ける。すると宿泊客がほぼ全員集まり、テレビを注視する。スイスのニュースの後に天気予報が始まる。ニュースの時にはざわざわしていたが天気予報が始まるとテレビの音以外は何も聞こえなくなる。20時になり天気予報が終わるとすぐにざわめき始める。二晩とも全く同じだったので面白かった。
夕食時には朝ごはんは3時30分から、出発は3時15分と言っていた。天気予報を見た後で、食事は4時からと変更になった。明日の朝はとても寒いようだ。朝ごはんの時間を遅く変更にしたのはこれで三回目だ。このパターンは怪しい、モンテ・ローザのときもマッターホルンのときも朝食の時間が遅くなった時は、悪天候になり登頂は無理だった。今回も無理なのだろうか。残念だ。
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