フィンスターアールホルン登山とスイス中部観光(2008年夏)
たぬは、ベルナーオーバーラント最高峰のフィンスターアールホルンに登頂することができた。登頂後、コンコルディア小屋まで戻った。
たぬは天気もよく、フィンスターアールホルン小屋から登山を始めた。3時30分からパンとシリアル、ヨーグルト、紅茶の朝ご飯の後、4時20分に出発する。まず、一時間岩場を登る。そこでファーストステップ終了と言われる。次に雪上を少し上った後、また岩場を登る。
その後、氷河歩きが始まる。延々と氷河上を上る。急な斜面はなく難しくはないが、長い。とにかく長い。もうこれ以上登れない。脚が上がらなくなる。駄目だーと困りながら、ノロノロと足を運んでいるとガイドが「後20m」と言う。助かったー。力を振り絞って足を持ち上げる。 氷河上の上りはここまでだ。ここまで3時間30分かかる。
太陽が出てきて山々が赤く染まる。素晴らしい光景だ。
フィンスターアールホルン[Finsteraarhorn/4274m]の大きな影の中を歩く。
しばらく休憩した後の上りは、岩と雪のミックスだ。しばらくアイスアックスを手に握って雪に刺して歩くと次はアイスアックスが邪魔だと思いながら岩に手を懸けて登る。の繰り返しで細い稜線の上を登る。体を吹き飛ばすような勢いの強風が吹き続けている。とても、スリリングだ。今までで一番スリルがある登山だ。
緊張が続くが単調な氷河歩きよりこちらのほうがずっと楽しい。しかし、とても寒い。上っているにもかかわらず寒い。
岩と雪の上の登りを1時間10分繰り返すうちに頂上に到着する。上りに4時間40分かかった。9時であった、頂上は狭いし、寒くて長居は出来ない。
山のひだがとても美しい。
フィッシャー氷河[Fieschergletscher]の流れも美しい。
岩はあまり大きくなく、特に難しいところはない。雪上も急な斜面はない。しかし、岩場はとても高度感があり、強風のため、とてもスリリングな登山になった。頂上は狭くてあまり動けないが、ベルナーオーバーラント[Berner Oberland]の最高峰であり、近くにここより高い山はないので頂上からの眺めは素晴らしい。マッターホルン[Matterhorn/4476m]とヴァイスホルン[Weisshorn/4505m]が素晴らしく美しかった。
少し滞在して下り始める。下りは、懸垂下降をするほどの急なところはなく、切り立った細い稜線の上を風にあおられながら下る。これもスリリングだ。
岩が終わり、氷河の上に立つ。そこで少し休憩するが、とにかく私は寒い。他のガイドにも寒い?日本はそんなに暖かい?などとからかわれる。後で小屋に帰って鏡を見て、なぜそんなことを言われたかが分かった。寒くてとてもつらそうな表情をしているし、右の鼻から鼻血も少し出ていた。情けなし。
ガイドは、他のパーティーの人と楽しそうに話しをしているが、私は寒いので早く出発したかった。
登りはあんなに辛かった氷河歩きも、下りは楽だ。氷河をどんどん下って、最後は岩の道を歩いて小屋に到着。ガイドに「速いよ。いいタイムだ。」と言われ、とてもうれしい。 下りは3時間かかり12時5分に到着。
フィンスターアールホルン小屋[Finsteraarhornhutte/3048m]に戻って、アラビアータスパゲッティを美味しくいただく。昨日同様ボリュームたっぷりだ。13時15分にコンコルディア小屋[Konkordiahutte/2850m]に向けて出発といわれる。しかし、「疲れたから15分、眠らせてくれ」と伝える。15分のつもりが眠りすぎてしまったため13時35分に出発する。
氷河を横断し14時から15時30分まで上る。上りが終わったときはほっとした。その後は下りだ。コンコルディア小屋[Konkordiahutte/2850m]は遠かった。とにかく遠かった。最後には小屋の下にはながーい、ながーい(翌朝ガイドが数えてくれて分かったことだが415段もある)階段がある。何度も立ち止まり、休憩しつつ登る。ガイドはきっとうんざりしていたことだろう。17時10分に到着する。コンコルディア小屋まで3時間35分かかった。
コンコルディア小屋[Konkordiahutte/2850m]は、フィンスターアールホルン小屋[Finsteraarhornhutte/3048m]ほどではないが快適な宿だった。ベッドは横に長く、何人も眠る普通のものだったが、2人分使えたので、くつろぐことができた。
18時30分から夕食。マカロニ、白菜、ベーコンのスープ。レタス、にんじんなどのサラダ。ご飯と肉がたっぷり入ったカレー。デザート。食事はコンコルディアヒュッテの方が美味しい。
今日も満員だった。食事のときにスイス人のグループが隣にいて楽しく会話が出来た。ガイドとも3泊目だし、無事登頂した後なので会話が弾んだ。私がシュレックホルンに上るのは可能かと聞いたところ、昨日の夜は、分からないと言っていたが、「ミッテルレギ稜と難易度は同じだよ。ただ、とても長い。」と教えてくれた。
この小屋では19時50分のニュースは見なかった。
とても楽しく会話をし、幸せに眠った。
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