レマン湖・スイス西部観光とシャモニで登山(2007年夏)

グランド・ジョラスめざしてボカラッテ小屋へ(2007年7月31日)

グランド・ジョラスと高山植物

モンブラントンネルを抜けてイタリア、そしてボカラッテ小屋へ

TADAとNAOMIは早朝からエギーユ・ド・ミディ展望台へ出かけた。TAKUとたぬはゆっくり8時過ぎに起きる。留守用にジャガイモとたまねぎ、ニンジンの味噌汁をたっぷり作り、TAKUとのんびり過ごす。戻ってきたTADAとNAOMIと4人でトマトソースのスパゲッティとパンの昼ごはんを食べた。

ガイドとの待ち合わせの約束は13時にスネルスポーツ裏の駐車場だ。時間には間に合ったが、サングラスを忘れたので車で宿に戻る。モンブラン・トンネルを抜けてクール・マイユール、アントレーヴを通りプランパンシエールの駐車場へ13時半過ぎに到着する。

ガイドにバンドの付いた10cm×8cmくらいの機器を渡される。何か分からないのでポカンとした顔をしているとビーコンだよ、明日使うから持っているようにと言われる。とても慎重なガイドと聞いたし実際に私も感じているが、ビーコンですか。グランド・ジョラスはそんなに危険な山なのだろうか、身が引き締まる思いがした。

山登りのズボンをはいていたのでガイドが「暑いから脱げ。」と言う、ズボンを持っていないから横を開けて歩くから良いと言って、ズボンの横を開けると、ガイドから私のスパッツが見えた。
すると「それで歩け」と言われる。結果からすると確かに暑かったから脱いで歩いたのは正解だった。
スパッツとTシャツ姿で13時50分に小屋に向かって上り始める。歩き始めるとすぐにボカラッテ小屋まで3時間30分という道標があった。登りが不得意な私はすぐに息が上がってしまい。途中に3回も休憩をして3時間20分で小屋に到着する。

日差しがとても強い。

駐車場を抜けるととてもきれいなお花が飾ってある家の横を通り、山道を歩き始める。

花がたくさん咲いていて、とてもきれい。歩くのが楽しい。そして目指す格好の良いグランド・ジョラス[les Grand Jorasses/4208m]の姿が見える。

歩き始めてすぐにヘリコプターの音がした。ガイドが「レスキューだよ。」と言う。しばらく後で飛行しているヘリコプターを指差して「救助が終わった。」と教えてくれた。
彼はガイドの仕事をする前はレスキューの仕事をしていたらしい。

ガイドはゆっくりゆっくり登る。

日差しが強くて暑い。

途中からモンブラン[Mont Blanc/4807m]も見える。とても景色の良いハイキングコースだ。

雪解け水が流れる川が流れていてその流れを2回渡る。慣れていないので川を渡るのは少し怖かった。

「ボカラッテ小屋が見えるよ」とガイドが指を指したが、どこにあるのか分からなかった。

だんだんボカラッテ小屋に近づくにつれて岩が大きくなってきた。情けないことだがたぶんアンザイレンせずに登った岩の中で一番大きい岩だったと思う。心の中でアンザイレンしてほしいなーと思いながら進む。
途中に梯子と固定ロープがあり、小屋の直下の岩はどこに足をかけてよいか困ってしまう程だった。

ボカラッテ小屋

17時10分にボカラッテ小屋に到着した。
氷河がボカラッテ小屋のすぐ近くを流れている。

ボカラッテ小屋に着くと日本人の男性に「日本の方ですか?」と声をかけられる。彼は4人でグランド・ジョラス登山に来ていたが体調が悪く留守番をしていたのである。登りに行った3人のうちの一人が滑落したがクレバスの淵に引っかかって止まっていたところを救助され、命に別状はないと連絡を受けたとのことだった。運が良くて良かった。
ボカラッテ小屋までの登りと駐車場で渡されたビーコン、滑落事故の話が明日の山が今までの山より難しいことを予想させた。

ボカラッテ小屋のトイレの中。

ガイドが大好きなグラン・パラディゾ[Gran Paradiso/4061m]。ガイドはうっとりしながら山を指差し「あれがグラン・パラディゾ、僕は大好き。明日グランド・ジョラスへ登ったら次はあの山を登ろうね。」と言う。
確かに良い山かもしれないが、ガイドと客1対1で登るのはもったいない。1対3でも可能とガイドブックに書いてあるので。子供たちが大きくなってから一緒に登りたい。
ガイドはすぐにグラン・パラディゾ、グラン・パラディゾと言う。もう少し他の山も提案して欲しかった。

18時になっても食事が始まる雰囲気にならない。人のよさそうな若い男の人が一人で働いている。お客は予想に反して多く16人くらいだ。
彼が一人で用意をするのだろうか?20時になってもまだ始まらない。客はみな早く食べたいなーと言うのが顔に書いてあるが、誰も文句を言わないので驚く。
一人で給仕するのだから早くやれるわけないと思いつつも、日本だったら絶対に誰か文句を言ったと思う。こちらの人はお客様は神様という気持ちがないからだろうか?

20時半ごろになってやっとスープが運ばれてきた。ズッキーニ、ニンジン、豆の入ったミネストローネだった。オリーブオイルの香りが良い。さすがイタリア、料理が美味しい。
容器がプラスチック製だったのが少し残念だ。
とてもおいしくいただいたが、私たちが飲み終わってもまだ全員にスープは運ばれていないので、メインディッシュまでは更に時間がかかった。

メインディッシュはトウモロコシをつぶしたもの(名前があって教えてもらったが忘れてしまった)にソーセージのソースがかかったものだった。ソースがおいしくて始めのうちはおいしいと思って食べていたが、ソースがなくなるとトウモロコシをつぶした物自体の味は特においしいものではなかった。デザートはおいしいタルトだった。

夕焼けで山々が赤く染まった。

食事が終わったのは21時30分。山小屋とは思えない時間になってしまった。食後はすぐに眠る。明日は2時起床だ。

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